秋の星座


10月も下旬になって、秋が深まってきました。今回は秋の星座の話です。
秋の星座は、他の季節に見える星座とは、違う特徴があります。春・夏・冬に見える星座は、それぞれの星座ごとに違ったギリシャ神話などにまつわる物語があります。ところが秋の星座の多くは、ひとつの物語の中に出てくる登場人物たちが星座になっています。ですから、そのひとつの物語を知れば、秋に見える星座がどういう星座なのかわかるのです。

下の図は、今夜21時頃に見える星座です。

南の空
北の空


南の空にみずがめ座とくじら座があって、その上にうお座がありますね。みずがめ座とうお座は黄道十二星座で、今回の物語とは関係ありません。
天頂付近には、アンドロメダ座とペガスス座、天頂を過ぎて北の空に、ケフェウス座、カシオペア座、ペルセウス座があります。それらの星座と、南にあるくじら座が今回の物語の登場人物になります。

あまり有名ではないケフェウスですが、ギリシャ神話に出てくる古代エチオピアの王様の星座です。その奥さんがカシオペアで、娘がアンドロメダです。北の空にある星座は、王様の家族の星座なのです。そのケフェウス王が治めるエチオピアに起こった出来事が、秋の星座の物語になります。
この物語は去年、ここに書きました。こちらを参照してください。

ペガサスに乗ってやってきたペルセウスが、化け鯨に襲われそうになっていたアンドロメダ姫を助けた話です。後に、ペルセウスはアンドロメダと結婚してエチオピアの王になり、ふたりは幸せに暮らしました。めでたし、めでたし・・・という、ハッピーエンドの物語です。でも、これは日本人が作った話で、元々のギリシャ神話とは違います。元々のギリシャ神話をアレンジして、日本人が美しい話に作り替えました。

ギリシャ神話というのは、みんな、かなりドロドロした、子供には話せないような内容です。そのギリシャ神話が日本に伝わってから、日本人がそれを元に、子供にも話せる美しい話に書き換えたのです。それが星座の物語として、日本のプラネタリウムで今日まで語り続けられています。プラネタリウムで神話にまつわる星座の話をするのは、日本独自の文化です。欧米のプラネタリウムは、科学的な話を聴く場です。

元々のエチオピア王家の物語も、必ずしもハッピーエンドではありません。ペルセウスがエチオピアの王になるための陰謀だった部分があります。そしてペルセウスは、エチオピアの王にはなっていません。
興味を持った方がいたら、元々のギリシャ神話を読んでみてください。

でも、神話がどうであれ、秋の星空の方は美しく眺められます。











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