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三行書評 第89回

2003.3.4

 一日遅れの三行書評。五つ星が満点。

ロバート=エーリック
奇天烈きてれつサイエンス問答』
(三田出版会ISBN4-89583-196-5)
お薦め度 ★★★
あらまし 「もしも人間の寿命が1000年もあったら?」とか「もし光速が時速16キロだったら?」など、「もし〜だったら?」という命題が115個並んでいる。
コメント 掘り下げが浅い(と言っても、まる三には掘り下げられないところまではいっている)のがイマイチ。“もしも話”で面白いのは『もしも月がなかったらありえたかもしれない地球への10の旅』(N.F.カミンズ/竹内均監修増田まもる/東京書籍ISBN4-487-76113-1)です。こちらは五つ星。
二村高史・宮田幸治
『鉄道の疑問』
(山海堂ISBN4-381-10440-4)
お薦め度 ★★★★★
あらまし 車内・駅・車両・施設に分けて、様々な鉄道の疑問に答える。たとえば車内定員はどうやって決めるかとか、ATS・ATCとはなんぞやとか、
コメント いやぁやっぱり僕は鉄道愛好家テッチャンだ。ワクワクしてしまう。列車を遅れさせると、JRの幹線で1000万円以上、中小私鉄でも300万円くらいは賠償請求されるそうだ。踏切事故や飛び込み自殺を起こさないよう注意しましょう。
阿刀田高
『シェイクスピアを楽しむために』
(新潮文庫ISBN4-10-125526-1)
お薦め度 ★★★★★
あらまし シェイクスピアの人となりと作品――ハムレット・ロミオとジュリエット・オセロー・夏の夜の夢・ベニスの商人・ジュリアス=シーザー・ヘンリー四世・ウィンザーの陽気な女房たち・リチャード三世・マクベス・リア王――の紹介。
コメント 僕なんか戯曲を読んでも面白くない(もっともそれは読み手の能力だそうだが)。だから、こういう解説書が役に立つ。ちなみに阿刀田さんには聖書・アラビアンナイト・ホメロスに関する解説書もある。
かわぐちつとむ
『食堂車の明治・大正・昭和』
(グランプリ出版ISBN4-87687-6)
お薦め度 ★★★★
あらまし 各種資料――車両設計図・メニュー・写真・社内報に載った従業員談話など――を利用したなかなかの労作。平成の今、食堂車を連結しているのは「北斗星」(上野〜札幌)「トワイライトエクスプレス」(大阪〜札幌)くらいなので、こういうタイトル。
コメント もともと縦組みで書かれたものを横組みで引用すると読みづらくなることが分った。連載された『鉄道ジャーナル』が横組だから仕方ないか。