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こういう放送もアリだと思う

2003.4.13

 12日のジャイアンツ×タイガース戦は、昨年から始まった「ジャイアンツ主催試合だけれどもNHKが中継を担当」だった。前日の(延長12回引き分けとなった)試合もNHKハイビジョンで放送していた。

 この放送、実況(というか本人は「司会進行」と言っていた)が堀尾正明アナ(実は阪神ファン)、解説は小早川毅彦さん、そして、息子に“甲子園”と命名してしまうほどの阪神ファンであるダンカンさんと、『ねじめの長嶋茂雄日記』『長嶋さんへの二〇〇通の手紙』『長嶋家の謎』などの編著書がある ねじめ正一さんがゲストだった。そのほかに竹林宏アナが情報紹介を担当していた。

 最初の1時間ほど見てみたのだけれど、清原復帰&2000試合出場が重なったこの試合、1回ウラ、ジャイアンツの攻撃が3人で終わり(走者は出たがダブルプレーがあった)、伊良部vs.清原の対決がお預けになり守備につく清原が映ると――

ダンカン 悔しいけど絵になるんですよねぇ。
以下、清原をずっと映している。
堀尾 松井が抜けたあと、やはり、日本のプロ野球界のひとつの「顔」としてこれから活躍して欲しいのが清原ですよね、ねじめさん。
ねじめ そうですね。(中略)阪神とも当然戦ってますけど、清原っていうのは要するに巨人とも戦ってるんですよね。味方のチームとも戦っているっていうのが、今までに無い、新しい選手ですよね。ある意味じゃ巨人に叩かれましたからね――ずいぶん私も叩きましたけど――そういうものを乗り越えて四番になりましたから。でもね、巨人と戦うんだという気持ちを忘れなければね、清原はまだできると思いますよ。
ダンカン ただいつまでも、清原の過去の財産というか成績で“清原頼り”にしていると、日本プロ野球が古い歴史があったのに、それにオンブにダッコ、アグラをかいて(人気が)落ちてきている。それと同じようなことになりかねないですかね。やはり、新しいものが清原を喰ってる。それが濱中おさむですよ!
堀尾 ちょうど映像が切り替わりました。
ねじめ 凄いこと言っちゃったな。

 そして2回ウラ、先頭打者としていよいよ四番清原が登場すると――

ダンカン 今、「祝 清原」って(いうプラカードが)出てましたけどねぇ。戻ってきただけですからねぇ。野球選手はやっぱデカイことやって「祝」になんないと(とちょっと不満そう)。
ねじめ いやでも、この拍手も清原が勝ち取ったものなんですよ。ここまで来んのは大変だった(と感慨深げ)。
堀尾 竹林さん。確か、伊良部最速158キロというのは、対清原でしたよね。
竹林 そうです。'93年の5月3日、リードされていて8回に1イニングだけマウンドに立った伊良部がですね、158キロを2球続けたんですね。ですから今日、先発で完投ペースで投げている伊良部がどういう投球をするかというのは見どころじゃないでしょうか。
堀尾 小早川さん。(中略)球数とかいろいろ考えるんでしょうけれども……
小早川 いや、もう全力でいきますよ。
しばし見守り、口数が少なくなる放送席。3球目が内角を突いて0-3になると――
ねじめ いやぁ伊良部は変わってないですよね。こういうトコいいね。ここで打って欲しいね。
ダンカン いいんじゃないですか(と0-3からのバッティングを推奨)。
結局セカンドゴロを打つと――
ダンカン よしよし。

 てな具合。

で、これが主音声。

 題して、“今日はとことん応援放送”(ちなみに副音声は球場音声のみ)。公正中立を金科玉条として真ん中をおたおた歩くよりも、右と左の極端をそれぞれ用意してヤジロベエのように歩いていくのが面白いということに気づいた。