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三行書評 第95回

2003.4.14

 五つ星が満点

斎藤美奈子
『紅一点論』
(ちくま文庫ISBN4-480-03666-0)
お薦め度 ★★★★★
あらまし アニメ(男の子向けと女の子向けに分かれる)や子供向け伝記――『リボンの騎士』『キューティーハニー』『セーラームーン』『ヤマト』『ガンダム』『エヴァンゲリオン』『コナン』『ナウシカ』『もののけ姫』『ナイチンゲール』『キュリー夫人』『ヘレン=ケラー』など――において、紅一点ヒロインがどう扱われているかを論じた本。
コメント 相も変わらず鋭い。ヘレン=ケラーがファーストネーム付きで呼ばれる理由やマリー=スクロドフスカ=キュリーがキュリー“夫人”と呼ばれる理由などに納得。
ジョン=クラカワー
『荒野へ』
(佐宗鈴夫/集英社ISBN4-08-773266-5)
お薦め度 ★★★★
あらまし 文明から隔絶した状態で生存することができるかどうか試した末にアラスカの山中で餓死したアレクザンダー=スーパートランプことクリス=マッカンドレスの軌跡を追った著作。マッカンドレスの心の内を、著者の経験も踏まえて推測している。
コメント 準備不足は否めないが、ほんのわずかな過ち――一般にも知られていなかった知識を知らなかった――が命取りになった。