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料理のヒント

2003.8.17

 15日の『虎乃門』(テレビ朝日)は3時間スペシャル。最新作『ゲロッパ』の公開を控えた井筒和幸監督が、『ターミネーター3』with勝俣州和『踊る大捜査線THE MOVIE2レインボーブリッジを封鎖せよ』with坂下千里子『パイレーツ=オブ=カリビアン』with蛭子能収&くりぃむしちゅー『シティ=オブ=ゴッド』with美保純&よゐこを自腹していた。ちなみに66代目MCは『ゲロッパ』に主演している西田敏行さんだった。

 今日の話題は、この「こちトラ自腹じゃスペシャル」のあとに控えていた「龍虎杯争奪 芸能界料理王決定戦」だ(たしかこんな名前^_^;)。いとうせいこう・勝俣州和・大川栄策の司会のもと、小金沢昇司・木村祐一・カンニング中島忠幸の3人が作った料理を元小結の龍虎さんが食べて読断と偏見で優劣をつけるという企画。

 第一ラウンドは120秒料理対決。
小金沢は挽肉とスライスしたタマネギを中華鍋で炒めて味付けをした具を御飯にかけただけの“肉だけ丼”。
木村はカニ肉を卵で溶いてバターで炒めた具をジャーに入れて蒸らして混ぜただけの“ピラフもどき”()。
中島は飾り包丁を入れたイサキを油で揚げてあんかけにした“イサキの甘酢あんかけ”(180℃の油は事前に用意されていた)。
いずれ劣らぬ手際の良さに感心した。木村にいたっては蒸らしている間にフライパンを洗ってしまったのだ。料理が苦手なまる三には驚きの連続だった。

 第2ラウンドはパスタを使ったバリエーションクッキング対決(持ち時間5分)。
小金沢は、豆板醤ベースのドレッシングを使ったサラダ、シメジで出汁をとったコンソメベースのスープ、ウニ・イクラ・サケを乗せたホワイトスープスパゲッティ。
木村は、牛肉と梅干とレンコンとキャベツをちょちょいと煮込んだスープ。
中島は、きのこと鶏肉を具に使った揚げそば風カリカリスパゲッティ、エビとワカメにスリゴマとマヨネーズをかけた酢の物パスタ、隠し味にインスタントコーヒーを使ったトマトのスパゲッティ。
一品しか作らなかった木村は、途中でコンソメスープをかけた激旨のウニイクラ丼を勝手に食べていた。

 小金沢昇司とカンニング中島が進んだ決勝ラウンドは、10種類の食材の中から順番に一品ずつ選び、計5品の食材を使って料理を作る“ドラフトクッキング”(制限時間5分)。
小金沢は卵・春雨・挽肉・バナナ・納豆を選び、春雨と挽肉のオムレツ、納豆のオムレツ、バナナのオムレツを作った。
中島はヨーグルト・豆腐・玉ねぎ・りんご・鮭を選び、バターで炒めた鮭を乗せた豆腐、リンゴと玉ねぎを日本酒と砂糖とコーヒーで煮てヨーグルトと合えたものを作った。

 食通らしい龍虎さんも的確なコメントを述べており、結局、初代“芸能界料理王”は小金沢昇司さんが輝いた。

 いやぁ感心しました。

 まる三は、飲食店に行くとカウンターに座りたがる人種なのだ。それは、料理を作っている様子を見たいから。とくに中華料理店の場合この傾向は強まる。そんなまる三にとってはとても楽しい番組で、「僕も料理してみようかな」と思わせるに充分な番組だった。

 同じテレビ朝日で放送されている『愛のエプロン』と比べると月とスッポンだ。ま、親子丼を作らせるにあたって、絞めて羽をむしっただけのニワトリを提供するのは無茶だし、それで右往左往する女性タレントを“鑑賞”するのが番組の狙いであるわけで、料理のヒントを与えるものではないのだろうけれども……。