←前回 次回→ ?今月の目次 ジャンル別一覧  ご意見ご感想はこちらから

プロ野球審判団の説明責任

2004.6.20

 アメリカンフットボールのプロリーグNFLには“チャレンジ”というシステムがある。判定に不服がある場合、再チェックを要請することができる。チャレンジの要請があると審判(主審)はビデオテープを確認し、場合によっては判定が覆ることがある。もっとも、無制限にチャレンジを認めていると試合時間が長くなって仕方がないので、前後半2回づつしか認められておらず、判定が覆らなかったときにはタイムアウトが消費されるという制約がある。

 このとき主審は、ビデオテープを見る前に「『ゴールラインを超えていないのではないか』という異議が申し立てられたので確認する」などとワイヤレスマイクを通じて場内および視聴者に説明し、ビデオテープを見た後に「ゴールラインを超えていない確証が得られなかったので当初の判定どおりとする」または「確かにゴールラインを超えていないので判定を覆す」などと場内および視聴者に説明するのだ。この説明によって、どうして試合進行が止まっているのかが分り、イライラしないで済むのだ。さらに、ビデオによる確認は45秒を目途とすることも決まっている。

 で、19日の読売×阪神戦11回表一死である。一塁走者沖原と藤本の打球を処理しようとした二塁手仁志が接触した。当初はボーッとしていた^_^;審判団だが、結局、沖原の守備妨害と判定した。

 このときの審判団の対応がお粗末極まりないものだった。

 途中で一塁塁審が「沖原選手が守備妨害をしたということに関して岡田監督から抗議を受けています」旨の説明をしたけれども、NHKのゲスト解説だった星野仙一さんが「なってませんね」と断言するほどの説明下手。「沖原選手の守備妨害を認め、二死一塁走者藤本と判定しましたが、不服を申し立てた岡田監督の抗議を受けています」と説明するべきだったと思う。

 テレビ観戦をしていた身にとっては、守備妨害を認めなかったらしいことに対するらしい堀内監督の抗議に対して審判団が守備妨害を認めたらしいことについて抗議を始めたらしい岡田監督の言い分を聞く審判団らしいという推測はできたけれども、なぜ試合進行が止まっているのかの確信は得られなかった。

 こういうのも説明責任だよね。勢いに流されてずるずるいっちゃうのはいけないと思います。