3月27日(土)万里の長城

国賓館での朝食を期待したが、半中華、半洋食の中途半端なもの。そろそろ食事に関して興味が失せてきたので写 真に撮る気も起こらなくなってしまった。添乗員さんが配ってくれた梅干しで食べた白粥が一番美味しかったかな?(外国に来てその地の食べ物に食傷気味になったのはこれが初めて!歳なのか、本場の中華が合わなかったのか・・・)それにしても、思った以上に中国では英語が通 じない。もちろん日本語も。国賓館でも同じことで、「ソルト」も「ミルク」も伝わらず、漢字での筆談が一番便利だった。廊下ですれ違ったスタッフの会話から聞き取れたのはロシア語風の発音だった。なるほど・・・。

国賓館の庭は素晴らしい。特にわたしたちの泊まった棟の前には、一番大きな池(名前はわからなかった)と芳菲苑という庭が広がる。 例えていいものかどうか、上野の不忍池を連想してしまった。

  柳の若葉が美しい!

もっとゆっくり庭を散策したいものだったが、これから万里の長城へ向かい夕方には大連に飛ぶんだ。まだ北京に来て2日しか泊まっていないのに、なんだかもう2週間もいるような錯覚に捕われる。ほんと、盛り沢山のスケジュールだもんねえ。

万里の長城は、思いのほか北京から近かった。バスで山道を上がって行く。登り口の一番そばの駐車場までバスがいってくれたのは有り難かった。ここでも「国賓待遇」が効いているのかね?下の駐車場から上がってくる道すがら、怪しげなお土産やさんやラクダのっかっての写 真写しなど、観光地独特のうさんくささがあるらしいんだけど、残念ながら見ることは出来なかった。と思いきや、長城の上にもそういうお土産やさんは結構あって、巧みな日本語で押し売りしていた。
観光の入り口から右に昇るのが「女坂」で傾斜がゆるやか。ほとんどの観光客は女坂を昇るという。 左が「男坂」。まるで滑り台を昇るような坂道と急な階段が続く坂で、もちろん子どもたちの選択は男坂。大にぎわい、大混雑の女坂を遥かに見ながら、地元の観光客と思われる若者が数人いるだけのがらがらの男坂を昇って行く。
  ←空いている男坂。
↑男坂から見た女坂。人がいっぱい!結局男坂に昇ったのはわたしたちだけだった。昇りはともかく下りが超恐い!気を許したら、ころころ下まで転がりそうなほど急な坂。下りはパンプスを脱いで、はだしで降りてきました。
今日は次男の誕生日!14歳の誕生日に万里の長城に昇ったって、結構いい記念になると思うよ。(本人は実感していないんだけどね)


●大連へ
さてさて、北京を離れて大連へ、飛行機で1時間の旅。 飛行機の窓から見える大連の町並みは、ヨーロッパ調っていうか、小奇麗な建物が並んでいた。北京とは全然違う雰囲気。自転車もあまり走っていない(坂が多いからだって)。空港から町の中心地へ向かう道の回りには、さすが港町!と思わせるような紅灯の巷を思わせるお店が並ぶ。「美人酌」という看板もあった。ほんと、漢字ってぱっと見で分かりやすいよね。北京から列車だと10時間くらいかかるらしいんだけど、中国列車の旅っていうのも魅力かな?といったら、息子たちは「もうたくさん!」だって。はいはい。

夜は町の餃子専門店でお食事。ごちゃごちゃした繁華街にあるお店で、おそらく地元でも老舗といわれているような餃子専門店だと思われる。狭い階段をのぼって3階へ。団体様専用のお部屋なのね。さすが餃子専門店。出てくるものはすべて餃子、なんだけど、餃子の皮で包んでしまえばすべて餃子になるのさっ!というポリシーのもと製作されているように思われる。ひき肉とか海老とかが入っていればいい方、きゅうりや卵や得体のしれない野菜のみが入っているものもあった。茹でたり蒸したり焼いたり・・と形を変えて出てくるものの、うーむ・・と唸ることしばしば。「世界は広い」ということと、「日本の中華料理は美味しい」 ということがよく実感出来た。

さて、これからがハプニング。料理も終盤になって、先生と添乗員の加藤さんがマイクを持って前に出た。「今日、わたしたちの中で、お誕生日をお迎えになられる方がいらっしゃいます、どうぞ前へ」おーっと!次男が呼ばれたっ!すかさず長男が「やっべーっ!あいつ、超むくれるぞ、こんなことになって」と心配した。次男はこういうの苦手で、ディズニーランドのイベントでも必ずといっていいほど舞台に呼ばれるんだけど、かたくなに拒否して出たことがないヤツ。案の定、じぶしぶという表情で前に行く。行っただけでも偉いよ。と思っていたら、お祝いのケーキのクリームをほっぺに付けられ、ハッピバースデーの冠を頭に、マイクを持って挨拶をした。「皆さん、謝謝」おおっ!大人になったねえ。

 

お店から手作りのケーキ(ほんと素人さん手作りって感じでとても美味しかった)と中国ではお誕生日には「うどん」という風習があるらしくて、汁の少ない中華風うどんを出してくれた。ケーキは一切れを次男が、残りを各テーブルにお裾分けして食べていただいた。実をいうと次男は生クリームが苦手。私が心配して「ママが手伝ってあげるよ」と言ったのだが「大丈夫、せっかく作ってくれたんだから」ときれいに食べていた。ほんと、大人になったねえ。はいっ!今日から14歳!といっても、なんだか次男はいつまでも小さい気がして実感が涌かないんだけど、確実に成長してるんだ。この異国の地でこういうお祝をしていただいて、本当にいい経験をさせていただいた。先生、加藤さん、祝ってくださった皆さん、本当にどうもありがとう♪

ホテルは、超豪華ホテルだった。息子たちは国賓館よりいいぜっ!と喜んでいた。ご機嫌な二人を残し、私は夜の町へ「足裏マッサージ」に連れて行ってもらった。総勢15人くらい。
港町の下町の一角にある足裏マッサージの館へ到着。うーん、館を飾るネオンていうか提灯ていうか怪しげな雰囲気。カウンターには「JALPack」の文字。 そんなに怪しげではないのかも。ついつい怪しさを求めてしまうのは悪いくせかしらね。
2階に上がると、うすぐらい大広間にベッドが何台も並べてあって、正面にはテレビがでーんと置いてあった。わらわらと少年たちが入ってくる。少年!まさに少年!下手するとうちの子たちとどっこいどっこいの若さ。この子たちがマッサージしてくれるんだっ!なんだか気の毒になっちゃった。
始め薬湯に足を浸して、その間肩や首を揉んでくれた。その後足裏マッサージ。裏ばかりでなく、膝から下をマッサージ。痛いと思っていたらちっとも痛くなくて、もっと強くしてもらいたい気分。しかし、言葉の通 じない悲しさよ。ハード!といっても、ストロングといっても、モアといっても通 じない。まあ、可愛いからゆるしちゃお。帰りにチップを渡してきた、日本円で100円だったけど、にっこり笑ってさっと隠してしまった。チップ渡しちゃいけなかったかな?

このホテルには明日も泊まるので、荷物も広げたままで寛いで過ごして、ゆっくり眠れた。大連、いったい何があるところなのかね?