Sitarist Shunichi Sawada
シタールについて
澤田俊一現在、北インドを代表する楽器であるシタールは、14cにペルシャから伝来したセタールが起源とされています。 セタールとは3本の弦という意味で、その名の通り当時はシンプルな楽器であったと思われます。 その後、長い年月の間に少しずつ改良され、現在では、13本前後の共鳴弦と3本前後のリズムを刻むためのチカリ弦を 含め20本前後の弦をもつ複雑な構造の楽器になりました。

夕顔の中身をくりぬいて作った半球状のボヂィーにトゥーンもしくはチークなどの木材で作った棹がつけてあり、20 本前後の弦が主弦と共鳴弦とに分けて二段に張ってあります。ジャワリといって音をビヨーンとビビらせる構造や共鳴弦 の働きで、単音で演奏するメロディー楽器でありながら、とても艶のあるふくよかな音がでます。


インド古典音楽について
澤田俊一インドでは「音楽は宇宙と会話をするための手段」と考えられているため、インプロビゼーション(即興)で演奏されます。しかし、ただやみくもに好きな音を出して良いというわけではなく、細かく決められた決まりごとを忠実に守らなくてはなりません。この決まりごとは大きく分けて二つあり、一つ目は演奏で使用される音に関する決まり事で「ラーガ」と呼ばれます。もう一つは時間の流れ(リズム)に関する決まり事で「ターラ」と呼ばれます。このラーガとターラは長い年月をかけて形成されてきたもので、代表的なものには名前をつけて受け継がれてきました。このラーガとターラをいかにかっこよく表現できるかということが聴きどころになります。
Sitarist Shunichi Sawada