Profile of chiyokatou

なぜ染めの道に進んだのか。
いつもそう問われて、私は染めと出会った二十歳の頃に立ち返ることになる。
そこには分岐点がいくつもあって、染めの道もその中の一つにすぎなかった。
頼りなく途切れそうな細い道ではあったが、
いつの頃からか染めの中に自分自身を自由に解き放つことを覚えた。
表現したいこと、想いを託したい色、若さのままに溢れる構想を、
ロウケツ染めの技法で染め上げていく作業は、技術が伴わず構想が独走したり、
技法と構想にむりやり折り合いをつけたりといつも試行錯誤の連続だった。
今、この技法でこそ表現できうる私の世界があると思っている。
構想は白い布の中にロウ筆に託し、染めに託して表現できるようになって、
絵を描く楽しさは、白い布を染め上げる楽しさをいつも伴うようになった。
月日を重ねて、あの頼りなく途切れそうだった私の道は、
ひとすじの長く険しい道に変わった。でも歩み続けたいと願う道となった。
そして私が生を受けたのは、この道を歩むためだと今は思っている。
生みだしてきたすべての作品がいとおしい。
私とかつての時間を共有し、想いを託した多くの布たち。
この布たちのためにも、これからもずっと染め続けたい。



Chronology

1976
太平洋美術会会員 故小川幸代先生に師事  染色を始める
1979
大平洋美術展 入選
1980
太平洋美術展 新人賞受賞
1982
太平洋美術展 松吉賞受賞
1984
宇都宮 栃木会館ギャラリーにて初個展
大平洋美術展 大平洋美術会賞受賞
1986
個展 現代工芸藤野屋(以後、'88 '90 '93 '95 '97 '99 '01 '03 '05 '06 '07 '08に開催)
1988
栃木の作家たち'88に参加(栃木県立美術館)
1992
個展 日本橋高島屋(以後、'94 '97 '00 '02 '04 '06 '08に開催)
1994
とちぎ女流作家100人展に参加(宇都宮東武デパート)
1999
個展 銀座松坂屋(以後、'01 '03 '05 に開催)
個展 宇都宮東武百貨店
2000
栃木県美術の20世紀(千年の扉)に出品(栃木県立美術館)
2002
染画集「加藤千代の世界」出版(下野新聞社刊)


Exhibition

1988
個展 現代工芸藤野屋
1990
個展 西武百貨店宇都宮店
1991
個展 現代工芸藤野屋
1992
個展 八ヶ岳高原ロッジ
個展 スズラン百貨店
1993
個展 現代工芸藤野屋宇都宮店
個展 日本橋高島屋
1994
とちぎの美術女性100人
個展 現代工芸藤野屋
1995
とちぎの美術女性100人展
彩ふたり展 游ARTstation
個展 日本橋高島屋
1996
新春女性作家展 游ARTstation
個展 現代工芸藤野屋
個展 ギャラリー蓄音機
1997
個展 現代工芸藤野屋
個展 日本橋高島屋
個展 風土器
1998
個展 フォーラム游
個展 西武百貨店筑波店
1999
個展 現代工芸藤野屋
個展 銀座松屋
2000
個展 東武百貨店宇都宮店
個展 日本橋高島屋
2001
個展 松屋銀座
個展 現代工芸藤野屋
2002
個展 日本橋高島屋
個展 現代工芸藤野屋
2003
個展 銀座松屋
個展 現代工芸藤野屋
2004
個展 日本橋高島屋
個展 現代工芸藤野屋
個展 ギャラリー蓄音機
2005
個展 東武百貨店宇都宮店
個展 銀座松屋
2006
個展 現代工芸藤野屋
個展 日本橋高島屋
2007
個展 現代工芸藤野屋
個展 ギャラリー蓄音機
2008
個展 現代工芸藤野屋
個展 日本橋高島屋
2009
個展 現代工芸藤野屋
個展 宇都宮東武百貨店
2010
個展 ギャラリー蓄音機
個展 日本橋高島屋
2011
個展 現代工芸藤野屋
2012
個展 宇都宮東武百貨店

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e-mail/chiyokatou@gmail.com