ライン

ひょうたんの栽培方法

ココでは、ひょうたんの栽培手順について説明いたします。
基本的にジャンボひょうたん会の栽培方法に即していますが個人的主観に基づいているものもありますので、「絶対この方法で」というわけではありません。また、何かもっといい方法があればぜひ教えてください。



栽培の前の年の秋から春にかけ

畑作りをします。畑の作り方は他の野菜とかとほぼ同じなのですが、大きなひょうたんの場合、1本あたり一坪以上の面積を確保します。
深さは50センチぐらい必要です。
さらに元肥が他の野菜に比べたら大量に必要です。
どれぐらいあげればいいかといわれても難しいところですが、大小のひょうたんに関わらず掘った穴一面肥料だらけというぐらいでもOKです。
それと棚を作ります。まぁこれはあとでもいいと思いますが、定植してから棚を組んで、組んでいるときに踏んじゃったとなったらかなり悲しいところがあります。本格派を目指すなら大きさは一本あたり10u以上で組みましょう。高さは2mぐらいがいいと思います。栽培者がシャキール=オニールだったらもう少し高いのが必要かもしれませんが・・・。あとは30センチぐらいに井桁上に組めば十分ですが、素材は最低でも竹ぐらいの丈夫なものを使いましょう。

3月中旬まで

種を仕入れて発芽準備に入ります。ひょうたんの種は事前の水付けはダメらしいです。
ただ、その時期は暖めてやらないと発芽しないので、芽だし箱が必要となります。それも、電気式のものなど、人工的に暖めるものがお勧めです。太陽熱ではよっぽどいいハウスじゃないと足らないみたいです。うちにはそんな素敵ものがないので、ジャンボひょうたん会推奨の「綿引式芽だし箱(写真)」を作って使っています。

綿引式芽だし箱
作り方は写真をクリックしてください。

4月中旬か下旬

双葉が開いて、本葉が、3枚ぐらい開いたら定植します。
前もって作っておいた畑にポットの土を崩さないように植える。
育苗は20℃〜25℃ぐらいに保つ必要があるため、ビニールポットは欠かせません。追肥も忘れずに。目安はツルが棚に達するまでに2回ぐらい。化成肥料がお勧め。そして根にかからないように、徐々に株元から離して。その辺は他の野菜とあまり変わりない。
植物の根が一番養分を吸収するするのは先っぽらしい。

摘心(てきしん)と整枝

摘心とは、必要なツルから分家してくる余計なツルを摘み取っちゃうこと。なるべく早いうちのほうが本体への傷も少ないのでいい。
どこを摘心するかということだが、いろいろやり方はあるようですけど、基本的に、
・元ヅルが棚に達するまでにでてきた脇ヅルは摘心。
・生長して棚からあふれたツルは摘心。
・葉が日光にあたらないぐらい満員になるなら摘心。
というのは、誰も否定しないと思います。
棚を上から見ると重なっていない葉っぱののじゅうたんがきれいにできているようにすれば良いかと思います。

梅雨頃

梅雨頃になったら、農薬のダコニールの原液を親ヅル全体にハケでペタペタと塗りたくります。コレもジャンボひょうたん会の基本技術です。
私個人としては、親ヅル以外にも、「このツルは失ってはまずい」というのには塗っちゃってます。
「農薬原液で塗っちゃって大丈夫なの」という意見もごもっともですが、ダコは大丈夫みたいです。但し真っ白になりますが…。
そういうことでひょうたん栽培者はたとえ家庭瓢園でもダコはお得用サイズを買いましょう。

病害と害虫の防除

これもいろいろやり方があると思いますので、ココで紹介するより文献をあさったほうがいいと思いますが、やり方として、ひょうたんの文献は少ないため、ひょうたんはウリ科の植物なのでスイカやカボチャ、たぶん一番近いのがかんぴょうの栽培上の病気と害虫の防除駆除の方法をすればいいと思います。
それで、「どの病気が発生してどの病気が発生しない」とか、「どの虫を駆除すればいい」とか考えがちですが、基本的に“全部くる“とおもっていいと思います。それでもってひょうたんは食べないと思うので、有機栽培などをする必要ありません。原液を体内に入れたら死ぬような劇物を(薄めて)バンバン撒いちゃってください。(^○^)
ただ、薬の副作用に注意することは忘れずに。たとえば、やったことないけどスミチオンという農薬を原液で撒いたらさすがにひょうたんは死ぬと思います…。(*_*)

人工受粉

確実に受粉させるには人工受粉は、不可欠です。それでも受粉しないものもあります。
やり方は、雄(お)花をとって、雌(め)花に直接つける。以上です…。受粉日の記録と受粉したしるしを残すと後々収穫に便利です。雄花と雌花の区別は見ればわかります。つまり花のケツに瓢箪の形になっているのが雌花です。
それと、特大瓢箪を作る場合はどの場所に受粉するか問題になると思いますけど、瓢箪の場合おいしいカボチャの作り方と違って末成り(子ヅル孫ヅル)の方が瓢箪らしい「ボンッ、キュッ、ボンッ」な形になるようです。一株に一つだけならすなら地面から数えて35節目ぐらいがお勧めのようです。

果実の成長期

それなりに大きなひょうたんが生長するとツルでは支えきれなくなるので、そうなる前になにがしらの支えが必要です。その支え方としてジャンボひょうたん会推奨の技は、ひょうたんの果実につながっているツルの部分(柄の部分)を太めのロープでグルグル巻いて、そのロープを支柱に縛る方法を推奨しております。

ロープ巻きの例


ただ、ロープが柄に食い込まないように注意しましょう。この方法は、どんなに重い果実でも十分に支えることができ、台座は不要だそうです。現実、国東一に台座無しのロープ巻きだけで栽培したところ、台風にも負けませんでした。 ロープを結ぶタイミングは、ひょうたんから出ているツル(柄)と本体のツルが横から見て果実が小さいと「T」の字に見えると思いますが、大きくなるにつれ、それがひょうたんの重みで「Y」の字になったころが頃合でしょう。それ以上待っているとしまいに「I」になって果実が落ちるから注意。

台座がないと作品になったひょうたんが安定して立たないという心配もありますが、形のいい特大ひょうたんの場合は意外とキチンと立っています。ただやはり台座をおきたい場合、常に水平に保つことや、雨水がたまらないようにするなど常に注意を払いましょう。

しかし、はっきり言ってこのへんの…特にロープ技術は経験がモノをいいそうなため、初心者が特大ひょうたんを作ることはここらへんが理由の一つでであまりお勧めされないと思いますが、(他の理由は小さいひょうたんに比べ金がかかる、手間がかかる等)その技術を使わず生長に障害をきたさない支え方は、「台座法で毎日チェックする」コレしかないと思います。つまり、大きくなるにつれ、雨が降るにつれ、なんにつれ、台座の微調整をする。天気予報で風が吹く日のみロープ等で固定する・・・。技術を使わない(使えない)ぶんは、労働力でカバーしましょう。

また、果実に虫がよることも多々あり、その対策としては袋がけをすることが有効のようです。使う袋は大きくなるひょうたんが最後まですっぽり入る大きさの袋ならたいていは大丈夫だと思います。包み方は虫が入らないようにするので、スカート掛けして下をひらひらさせるのではなく、包みがけにして口をしっかり閉じたほうが無難でしょう。
さらに、見た目が悪くなりますが、米袋や土嚢袋などをつかうと風等が原因のひょうたんへの目に見えない傷や(その傷が生長ともに大きくなり肌荒れになる)、中の水分の蒸発を防止できて、肌荒れの回避が見込めるようです。
ただし、ゴミ袋などビニール製の袋は×です。

袋がけの例

収穫

受粉後大体2ヶ月以上したら収穫します。
早すぎると作品ができません。
それと完熟するまで本体を枯らすと同じく作品ができません。ただ水付けしなければできるらしいけど。つまり自然乾燥法。

中身の除去・仕上げ

この点の詳しいことは収穫作業ページで紹介していますので、とりあえず簡単にいうと、水にどっぷりつけて中身を腐らせて種を抜いて、もう一度どっぷりと漬けて乾かせば完成です。
あとは加工しますが、それはあまり得意ではないので、もっと得意な人のページを見てください。

参考:ジャンボひょうたん会発行栽培マニュアル

ライン