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unwritten rules 〜暗黙のルール

2001.7.10

 大リーグにはunwritten rulesというのがあるらしい。直訳すると“書かれていないルール”だが、“暗黙のルール”と言ったほうが座りがよいようなのでこちらを使う。

 たとえば、「味方が大量リードしているとき、カウント0-3から手を出してはならない」というのがある。これを日本で有名にしたのはアノ新庄選手だ。この暗黙のルールを破ったため、翌日の第1打席でデッドボールを受けた。文字通り身をもって教えてくれた(うーん、ベタだ)。USAトゥデイ紙が挙げたその他のルールにはこんなものもあるらしい(中日スポーツのサイトより)。

  1. 無安打無得点試合や完全試合を防ぐためのバントをしてはいけない
  2. 味方が故意死球を受けたら投手は報復していい
  3. 大量リードで盗塁してはいけない
  4. 捕手のサインを盗み見てはいけない
  5. 大量リードでカウント0-3からスイングしてはいけない
  6. 投手は本塁打でベース一周する時にはしゃいだ選手にぶつけてもいい

 

 9日の『荒川強啓デイキャッチ』内のコーナー「噂の調査隊」で、この“暗黙のルール”について伝えていた。現TBS野球解説者張本勲氏に「日本にunwritten rules〜暗黙のルールはあるか?」と訊いたところこんな答えだった。

日本にはありませんね。大量リードしているときだって個人記録には影響するわけですから好球なら打っていきますね。負けているときは出塁して塁を埋めたいわけですから事情は同じです。

 よくわからないのだけれど、どうやら「戦術上の定石はあるけれど暗黙のルールはない」と言いたかったらしい(もっと話術を勉強してね>張本さん)。でもね、僕は日本にもあると思うんですよね。例えばこんなの――

消化試合に入って味方に首位打者がいる場合、投手は相手チームの打率2位の打者を敬遠しなければならない。

 どうでしょう?

張本さんの話にちょっと反論(でもないけど)。アメリカのプロ選手は個人記録よりもチームの勝利を大切にするらしいですよ。だから、「今年の抱負は?」と訊かれて個人記録(3割とか30本とか)を口にする人はほとんどいないとか。たいていは「ワールドシリーズに勝つことだ」てな感じなんだって。だから、個人記録のためという発想がないらしい。