←前回 次回→ ?今月の目次 ジャンル別一覧  ご意見ご感想はこちらから

『GO』を観てきた

2001.11.1

 話題の『GO』(監督:行定勲/脚本:宮藤官九郎/原作:金城一紀/出演:窪塚洋介・柴咲コウほか)を観てきた。

 あんなに当意即妙で気の利いた台詞がぽんぽん出てくるわけはないというツッコミは――野暮だけれども――成り立つような気がするし、真似して実生活で使ったら浮いてしまうこと間違いなしのような気がして少々気にかかるものの、まる三はお薦め度★★★★★(満点)を付ける。

 キャスティングの時点で成功は目に見えていたような気がする。それほどみんなはまり役なのだ。主演の2人はもちろん、山崎努(父)大竹しのぶ(母)大杉漣(タクシー運転手)塩見三省(教師)荻原聖人(巡査)など演技派を揃え、山本太郎・新井浩文・村田充・細山田隆人と言った学生陣も、アブナイ系・ナンパ系・マジメ系それぞれ見事に演じている。

 音楽も、青春のスピード感(自分で書いててちょっと恥ずかしい^_^;)を感じた。ただしKaleido Scopeによるテーマ曲『幸せのありか』はイマイチ好きになれない。ごめんなさいm(__)m>ファンの方々。理由が説明できればいいんだけれど、うまく言葉にできないんだよね。ホントに申し訳ない。

 久しぶりに良い映画を観た。

おまけ:重箱の隅をつつくのが大好きな^_^;まる三が気づいた「ちょっとおかしなところ」。
陸橋の上で杉原(窪塚洋介)と正一ジョンイル(細山田隆人)が別れるシーンがある。正一が蹴ったサッカーボールは街路灯の下で止まるのだが、カットが変わると数m先まで移動している。御確認あれ。
他にも、「ん?」と思ったシーンはあって、加藤の誕生パーティーのシーンで三遊亭圓生の落語テープを聞いていたのに正一に返したのは古今亭志ん生だったとか、桜井(柴咲コウ)の部屋で閉めたはずのレコードプレイヤーの蓋が次のカットで開いていたなんてのもあった。けれども、前者はウォークマンから取り出したのが違っていたわけじゃないし、後者も桜井の洋服が違っていたところからすると別の日らしいといったように、時間経過があったようだ。

 「青春っていうのはカッチョ悪いのかもしれない」というのが今日の結論(なんじゃそりゃ)。

※中指と薬指にタバコを挟んで吸うやからが増えそうな予感がする。

 最後に雨の中で父親が叫んだ言葉を原作から引用しておく。“no soy coreano,ni soy japonés,yo soy desarraigado.”スペイン語だそうだ(スペイン語に詳しくないので、表記法に誤りがある可能性あり)。