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NHK金曜時代劇『逃亡』

2002.1.27

 NHK総合のドラマ『逃亡』(金曜日21:15〜22:00/原作:松本清張/出演:上川隆也・宅麻伸ほか)を、同居人が見ているのを横目で見ているのだが、力が入っていることがわかる。無実の罪を着せられた男・源次(上川隆也)が十手持ち・梅三郎(宅麻伸)から逃げるという時代劇版『逃亡者』('93米/監督:アンドリュー=デイヴィス/出演:ハリソン=フォード・トミー=リー=ジョーンズ)だ。

 演出は“巨匠”市川崑。見応えがあったなぁ。捕まった源次が番屋から逃がしてもらうシーン(第1回)で変なところに感心してしまった。「西にまっすぐ行けば甲州街道だ。そうすれば(生まれ故郷の)甲斐に帰れるぞ」と言われた源次は番屋を出て日差しと反対方向に向かう。言い忘れたが、これは午前中の出来事なので筋が通っている。こういうところがしっかりしているのが僕は好き。

 ところが、3回目を見て「アレ!?」と思った。うまく説明できないがリアリティがなくなっていたのだ。たとえば、神社の境内で源次と梅三郎が対決するシーン。燈篭の列の間から登場した梅三郎は源次を見ず、ずっと横顔を向けて話す(『ガッチャマン』のベルク=カッツェみたい)。そんな奴はおらんだろ。

 そういう細かいところが気になる僕って変ですか?

『逃亡』公式サイト