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三行書評 第62回

2002.8.19

 五つ星が満点。

赤瀬川原平
『その日の結論』
(NHK出版ISBN4-14-005297-X)
お薦め度 ★★★★★
あらまし 『放送文化』1994年7月号〜1997年12月号に連載した「テレビを消して街へ出よ」を改題加筆したエッセイ。そのときそのときに起こった時事問題を考察。
コメント 内容はともかく、タイトルがいい。僕のサイトのポリシー(?)を言い当ててもらっているような気がする。それだけで^_^;手にしてしまった本。
荒俣宏
『黄金伝説』
(集英社ISBN4-08-772731-9)
お薦め度 ★★★★★
あらまし 「近代成金たちの夢の跡探訪記」の副題どおり、成金たちの遺跡を訪ねる、名づけて産業考古学。『PLAYBOY日本版』に連載したのが1988〜89年というからバブル景気絶頂のころだ。
コメント 成金趣味というと悪趣味の代名詞のようだが、歴史に残るような大きな成金ともなるとそうでもない。新潟の豪農だった伊藤家や、石炭王麻生太吉(麻生太郎自民党政調会長の祖父)の遺したものを見るとそう思う。
関野吉晴
『ギアナ高地』
(講談社ISBN4-06-100373-9)
お薦め度 ★★★★★
あらまし 落差979mを誇るエンジェルフォールやテーブルマウンテンで有名なギアナ高地の写真集。
コメント 一見の価値あり。スケールの大きさにただただ驚くばかり。
荒俣宏
『「しるし」の百科』
(河出書房新社ISBN4-309-23032-6)
お薦め度 ★★★
あらまし 「しるしの誕生」以下、「印」「掲」「旗」「表」「章」「祥」「徴」「標」「識」「験」(いずれも“しるし”という振り仮名つき)という章立てで、古今東西のありとあらゆる「しるし」を解説。銀座三越前に鎮座するライオン像と犬張子が同根だ、なんていう話が出てくる。
コメント 荒俣氏は百科事典の執筆を担当したことがあるそうで、なるほど博識である。イコノロジーを拡大したような本。