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『明智小五郎対怪人二十面相』

2002.8.28

 『明智小五郎対怪人二十面相』(TBS/27日21:00〜23:18)を見てみた。

 旧式の自動車が爆発して女性が死んでしまうのは『ゴッドファーザー』で見たし、水面からぶくぶくぶくと出てくるシーンは『地獄の黙示録』で見たから、フランシス=F=コッポラへのオマージュが盛り込まれていたのかなぁなんて思った。

 それ以上に思ったのが――

ひょっとしてコメディ?

 ということ。

 田村正和が演じる明智小五郎はどうみても古畑任三郎にしか見えなかったし(イメージって怖いね)、今泉慎太郎役だった西村雅彦が出てくるに及んで決定的になった。
女中役だった久本雅美の過剰な演技――それが彼女の持ち味ではあるのだろうが――は、完全に浮いていて雰囲気をぶち壊していた(久本さんが悪いんじゃなくて、キャスティングの意図かつ失敗^_^;だと思うけど)。
叶美香のゴージャスな感じが江戸川乱歩の世界を描き出すかと思ったが、ほんのちょい役だったのでがっかり(江戸川乱歩=黒蜥蜴=美輪明宏という先入観がまる三にはあるんだよね)。

 それにも増して、「変装は完璧なんだけど(二十面相はビートたけしだから)首をコキッとやってしまってバレるなんていうシーンがないかなぁ」と思っていたら、最後のほうで、二十面相が化けた殿村という探偵が本当に首をコキッとやったのだ。万歳三唱をして喜んだまる三でした。

 まじめなような遊んでいるような……どっちつかずの製作意図がどーも把握できなかった。どんな視聴者を想定していたのか分からなかったなぁ。「あいつはきっと帰ってくる」と明智小五郎(田村正和)が言っていたから、part2を作るつもりがあるようだが、どーでしょう?