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三行書評 第63回

2002.8.26

 五つ星が満点。

荒俣宏・倉本四郎
『マタさんクラさん世紀末でたとこ膝栗毛』
(講談社ISBN4-06-206644-0)
お薦め度 ★★★
あらまし 講談社CATVの30分対談番組『私の読書ガイド』の対談に、後日温泉で行った対談を加えたもの。テーマは「温泉」「ポルノ」「相撲」「食欲」「釣り」「からくり」。
コメント 驚くべき博識である。テーマに合わせて書名が出てくるというのは尋常ではない。
工業技術計量研究所訳・監修
『国際単位系』
(日本規格協会ISBN4-542-30135-4)
お薦め度 ★★★
あらまし 国際度量衡局(BIPM)が1998年に刊行した“Le Système international d'unités 7e èdition”(ISBN92-822-2154-7)の日本語版。
コメント 「メートルは、1秒の299792458分の1の間に光が真空中を伝わる肯定の長さである」とか、「秒は、セシウム133の原子の基底状態の二つの超微細構造準位の間の遷移に対応する放射の周期の9192631770倍の継続時間である」なんてことが書いてある本。
小泉袈裟勝
『単位のいま・むかし古代単位からSI単位まで
(日本規格協会ISBN4-542-30125-7)
お薦め度 ★★★
あらまし 古代オリエント・インダス文明などの古代から、メートル法以前のヨーロッパを経て、メートル法、やがて国際単位系(SI)へと至る度量衡単位の歴史。
コメント 古代エジプトからギリシャ・ローマにかけて“キュービット”という長さの単位(があり、時代や地方によって異なる、なんてことが書いてあるのだが、どうしてわかるんだろ? いい加減に書いているわけではないと思うのだけれどもね。
白鳥敬
『単位と記号雑学事典』
(日本実業出版社ISBN4-534-03227-7)
お薦め度 ★★★★
あらまし 第1章は度量衡単位と記号の話だが、以降、科学技術・気象・交通・ビジネス・文字などが続く。モールス信号から絵文字まで、象形文字からバーコードまで。
コメント 「雑学シリーズ」のようなものは、踏み込みが甘くて期待はずれのことが往々にしてあるのだが、これは面白かった。
アイザック=アシモフ
『宇宙の測り方』
(金子務・古川博/河出書房新社全二冊ISBN4-309-25052-1,25053-X)
お薦め度 ★★★★
あらまし 長さ・広さ・体積・質量・密度・圧力・時間・速度・温度の梯子を上り下りし、宇宙にどんなものがあるのかを紹介していく。
コメント 「SI単位系ガイド」という副題が付いているがこれは偽りでしょう。本書を読んでも国際単位系(SI)のことは理解できない(“接頭語”だけはなんとかなるかも)。★×4は科学読み物としての評価。