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『インソムニア』を観てきた

2002.9.26

#insomnia〜“不眠症”だそうである

 クリストファー=ノーラン監督作品『インソムニア』を観てきた。

ここから「あらまし」を書きます。ちょっとくらい知りたいと言う人はドラッグすれば読めます。ちなみに、公式サイトにかいてあるstoryと同程度のものです。

白夜の町アラスカ州ナイトミュートで17歳の少女が殺された。応援のためにロス市警殺人課のベテラン刑事ドーマーと相棒のハップが派遣された。そのころロス市警では、違法な捜査がなかったがどうかの内務監査が行われていた。数々の猟奇殺人を解決してきた2人だが、違法捜査がなかったわけではない。もし違法捜査が白日の下に曝されれば、服役中の犯人が釈放されてしまうのだ。そしてハップが内務監査の司法取引に応じると告白する。
いっぽう捜査のほうは、わずかな手掛りから犯人を山小屋におびき出すが逃げられてしまう。そして追跡の途中、ドーマーは誤ってハップを射殺してしまうが、誤射だったと言い出しかねているうちに隠蔽を画策してしまう。
やがて、白夜のせいもあって不眠症に陥っていくが、眠れない夜とすごすうちに一本の電話が入る。

 というのが前半のあらまし。

 いやー久しぶりに映画らしい映画を見た。「“映画らしい”ってどういうこと?」と突っ込まれると困るけど^_^;、強いて言えば、脚本がしっかりしているということかなぁ。同名の映画(エーリク=ショルビャルグ監督1997年ノルウェー)のリメイクだそうだが、ストーリーに惚れてリメイクしたくなる気持ちも解るというもの(さらに、オリジナルにはない背景などを付け加えて深味を出しているそうだ)。
結末だって、ハッピーエンドとは言いがたいけれども、「なるほどなぁ。こういうところに落としたか」と100%納得。

 役者も凄い。これまで“いい人”が多かった(しかなかった?)ロビン=ウィリアムズはまあまあ^_^;なんだけど、不眠症になってしまったアル=パチーノが上手い。何を隠そう僕は不眠症――まったく眠れないわけじゃないんだけど、2時間くらいで目が覚めてしまう状態――になったことがあって、不眠症に追い込まれていく演技には「ああいう風になっちゃうんだよね」と感心したくらい。

 お薦め度★★★★★(満点)です。

『インソムニア』公式サイト
(台詞が流れます)

ソダーバーグと一緒に製作総指揮をしているのがジョージ=クルーニーなのだけれども、この人、テレビドラマ『ER』に出ていたことがある(ダグラス=ロス医師役)。今は出演していないのだけれど、入れ替わりに登場した医学生役のモーラ=ティアニーが出てきたのでびっくりするやら嬉しいやら。

この映画を見に行ったのは、『虎乃門』(テレビ朝日/金曜25:20〜)の「こちトラ自腹じゃ」(9月20日)で、井筒監督が4つ星をつけていたから(「リメイクじゃなくてオリジナルだったら満点」とも言っていた)。でも、雷同したわけじゃないですよ。

前の上映が終了して出てきたアベックの女性のほうが「難しい映画だね」とおっしゃっていた。この映画を難しいと評するのはちょっと違う気がした。普段、解りやすい映画やドラマしか見てないんじゃないかな。