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『K-19』を観てきた

2003.1.3

あけましておめでとうございます

 キャスリン=ビグロー監督作品『K-19』を観てきた。

 1961年7月4日、グリーンランド沖を潜航中だったソ連初の原子力潜水艦K-19は、一次冷却水漏れを起こした。炉心溶融メルトダウンを起こして熱爆発が起これば、アメリカとの核戦争に至る可能性があったが、艦長以下乗組員の努力で危機は回避された。この実話に触発されたキャスリン=ビグローが作った映画。

 BGMを使いすぎていた点が気になった。マスクをして原子炉区画に入っていくシーンなんて――『2001年宇宙の旅』(1968年/米)でボーマン船長がHAL9000の中枢部に入っていくときみたいに――呼吸音だけのほうが緊迫したような気がする(そうすれば、スローモーションにする必要もなかったかも)。
ソ連潜水艦の乗員たちが英語を喋っているのは――『レッドオクトーバーを追え』(1990年/米)のショーン=コネリーだってそうだったのだから――構わないけれど、変にロシア語訛りだったのが気になった(いや、ロシア語訛りの英語がどんなものなのか詳しくはわからないけれど、『博士の異常な愛情または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか』(1964年/英米)に出てきた駐米ソ連大使の英語に似ていた気がした)。

 以上2点は気になったのだけれど、それ以外は大満足。原作とも言うべき『K-19』(ピーター=ハクソーゼン/角川文庫)も読んでみたけれど、艦長と乗組員の対立といった人間模様を付け加えた脚色力もなかなかのもの。2時間半があっという間だった。

 お薦め度は★★★★。

『K-19』公式サイト