←前回 次回→ ?今月の目次 ジャンル別一覧  ご意見ご感想はこちらから

Pororokaを見ましたか?

2003.4.30

 pororoka(ポロロッカ)。ポルトガル語で、直訳すれば“大音響”という意味らしいが、この場合、日本語で言うと“海嘯”である。広辞苑によると――

かい‐しょう【海嘯】‥セウ
[楊慎、古今諺]満潮が河川を遡る際に、前面が垂直の壁となって、激しく波立ちながら進行する現象。中国の銭塘江、イギリスのセヴァン川、南アメリカのアマゾン川の河口付近で顕著。タイダル‐ボーア(まる三註:tidal bore)。潮津波。

 だそうである。

 1978年に、NHKがアマゾンのアラグァリ川で毎年(2月〜4月の大潮のときに)発生するポロロッカを取材した番組『ポロロッカ アマゾンの大逆流』が、29日21時から総合テレビで再放送された。僕が憶えていたのは波高4.5mに達したポロロッカとヘリコプターのツーショット(?)くらいで、取材の苦労話(木材運搬用の川船で大西洋と運行して28時間かけて取材地に着いた)とかブラジルの僻地教育問題とか現地の生活の様子とかがあったのは忘れていた。

数日前に村の子供と犬に怪我をさせたナマケモノを投げ縄で捕まえてちょっと懲らしめるなんてちょっと良かった。すぐに猟友会が登場するどこかの国とは違うようだ。

 実はこの番組は、“テレビ”というメディアが持っている底力をまる三に教えてくれた番組なのだ。

 だってさ、“垂直な壁となって、激しく波立ちながら進行する現象”って言われても「あぁそうですか」とは納得できないでしょ(だいたいが、[楊慎、古今諺]という風に出典が明示されているあたりがアヤシイ^_^;)。でも、ああいう風に映像でキッチリ見せられてしまえば文句の付けようがない。The Museum of Hoaxes(拙訳:でっち上げ博物館)じゃあるまいし、でっち上げられるものではない。

 そんなわけで、映像が持つ底力を感じたのでした。

その後、というか最近、中国の銭塘江(浙江省杭州市)の海嘯もテレビで見ました。流域は4000年前から人が住んでいるところなので堤などの人工物があり、それらとの対比がはっきりしていたので迫力がありました。でも、単純に規模だけで比較すればアマゾンが王者なのでしょう。

マイクロソフトの日本語辞書MS-IME2002には“ポロロッカ”は名詞として登録されていますね。