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三行書評 第97回

2003.4.28

 五つ星が満点。

中島義道
『私の嫌いな10の言葉』
(新潮文庫ISBN4-10-146722-6)
お薦め度 ★★★★
あらまし 相手の気持ちを考えろよ・ひとりで生きてるんじゃないからな・おまえのためを思って言ってるんだぞ・もっと素直になれよ・一度頭を下げれば済むことじゃないか・謝れよ・弁解するな・胸に手をあててよく考えてみろ・みんなが厭な気分になるじゃないか・自分の好きなことがかならず何かあるはずだ――以上の10個。
コメント 奇を衒ってとか斜に構えてというわけではなく、本気かつ論理的に嫌っている。『僕は偏食人間』を読んだときにも思ったのだけれど、生活していくのが大変だろうなぁと思う。真似できそうにはないけれど、少しは見習いたい。
佐藤健志
『ゴジラとヤマトとぼくらの民主主義』
(文藝春秋ISBN4-16-346660-6)
お薦め度 ★★★
あらまし 娯楽作品であっても、イデオロギー――この場合は政治思想というよりも「体系だった物の見方」のこと――が《物語の展開や登場人物の行動の端々に必ず表れて》くる。『ゴジラ』『ウルトラマン』『宇宙戦艦ヤマト』『沈黙の艦隊』『おもひでぽろぽろ』『東京ラブストーリー』『ゴースト/ニューヨークの幻』などを支えるイデオロギーを通して、時代時代に支配的だったイデオロギーを考察する。
コメント 内容とぜんっぜん関係なのだけれど、著者の略歴にびっくり。1966年生れで東京大学教養学部国際関係論学科卒後マサチューセッツ工科大学政治学部博士課程在籍中(1992年現在)。 入学が難しい大学世界ランキングの100位に東大は入っていないが、マサチューセッツ工科大学は1位である。
中村紀久二
『教科書の社会史―明治維新から敗戦まで―
(岩波新書ISBN4-00-430233-1)
お薦め度 ★★★★
あらまし 明治・大正・昭和の各時代で使われた教科書についての考察(ただし副題どおり敗戦直後まで)。
コメント 歴史を概観した3章までは★×3だけれど、度量衡単位・「お母さん」という表現・数え歌・桁区切り・伝記教材(ジェンナーと二宮金次郎)についての2章が★×5。単純に平均して★×4。

いやぁちょっと大変でした。木曜日に風邪をひいてしまいまして、金曜日に無理をしたらこじらせてしまったようです。そのせいで日曜日27日の夕方までふーふー言ってました。咳がよく出ていたので、「これは新型肺炎SARSかなぁ」なんて不吉なことを思ってましたけれど、海外に行ったわけでもなく、杞憂に終わりました。
寝込んでいる間に見れたのは、録画しておいた映画『シェーン』だけ。オープニングで、遠景の山の裾野を走っているというバスを確認しただけでした^_^;。ジョージ=スティーヴンス監督は気づいていたそうだけれども、鹿の演技(?)が素晴らしいのでそのまま使ったとのことです。