←前回 次回→ ?今月の目次 ジャンル別一覧  ご意見ご感想はこちらから

高くなったり低くなったり

2003.5.20

 18日の『笑っていいとも!!増刊号』(フジテレビ/日曜10:00~11:45)を見てみたら、先週(12日~16日)の“いいとも選手権”は、ヘリウムガスを吸って自分の名前を叫び、声の大きさを競うものだったようだ。

 ふだんは、平均分子量28.966の空気を、声帯で振動させて声を出しているわけだけれど、空気と比べてヘリウム(He2)は軽い(分子量は4.003)。なので、同じ調子で声帯を使うと余計に振動してしまう=音が高くなってしまうらしい。

“分子(原子)量”というのは、分子(原子)の重さを相対的に表したものです。炭素原子12C=12.000を基準としていて、同じ個数を集めたときの重さの比率で表します。
空気の場合、「等温・等圧において同体積の気体は同数(6.022045×1023個:アボガドロ定数)の分子を含み、1気圧・摂氏0度において6.022045×1023個の分子が占める気体の体積は22.4リットルである」というアボガドロの法則を適用して、平均分子量を求めているそうです。

 ここから本題。

 分子量が小さい気体を吸って声が高くなるならば、分子量が大きい気体を吸えば声が低くなるのかなぁというのが、まる三の長年の疑問だった。

 その疑問に答えてくれたのが、5月5日にNHKで放送された『サイエンスステージ 実験!実感!音の正体』(14:15~15:15)だった。クリプトン(Kr分子量83.80)を吸って歌ったところ、見事に低音になったのである。長年の疑問が氷解した瞬間だった。

番組内でくどいほど言っていたのでここにも書いておきますけれど、このとき使った気体は、ヘリウム(あるいはクリプトン)に20%の酸素を加えた特製ガス。純粋なヘリウム(あるいはクリプトン)を使うと酸欠で危険な状態になってしまうので注意してくださいとのことです。