2003.6.27
『本の雑誌』という月刊誌がある。椎名誠・目黒考二(北上次郎)が作った本の雑誌社が発行している書評誌だ。椎名誠さんの高校生時代からの友達が木村晋介弁護士で、本の雑誌社の顧問弁護士を勤めるかたわら、『本の雑誌』に連載もしている。
2003年4月“春風ねこだまし”号から、「キムラ弁護士小説に挑む」という企画が始まっている。2003年6月“アカネコ失踪”号で、「小説を読むくらいであれば、裁判記録を読むのに没頭していたほうがよほど楽しい、ということを信条にしている」と豪語する木村弁護士が、小説を読んで書評(?)を書くという企画だ。ちなみに、同号で“生涯に読んだベスト7”を紹介しているのだけれども――
順位 | 書名 | 著者 | 出版社 |
1 | 民事訴訟法 | 三ケ月章 | 有斐閣 |
2 | 初段最短コース | 内藤國雄 | 日本将棋連盟 |
3 | 落語名作全集 | - | 普通社 |
4 | がんばれ!!タブチくん!! | いしいひさいち | 双葉社 |
5 | 世界大百科事典 | - | 平凡社 |
6 | 共産主義における「左翼」小児病 | レーニン | 大月書店他 |
7 | 八丈島誌 | 八丈町誌編纂委員会 | 八丈町役場 |
なのだそうだ^_^;。
これまで、『マークスの山』(高村薫/講談社文庫全2冊)、『海辺のカフカ』(村上春樹/新潮社)、『ハリー・ポッターと賢者の石』(J.K.ローリング/静山社)、『半落ち』(横山利一/講談社)を取り上げているのだが、『ハリー・ポッター』以外はボロクソである^_^;。
たとえば『マークスの山』では、登山中に突然死した仲間を遭難に見せかけることが発端となるのだけれど、これが理解できないと言うし、『半落ち』では、登場人物たちのさまざまな行動が理解できず、作者が物語を盛り上げるためにそういう行動をとらせたとしか思えない、そうだとしたら「それは登場人物に対する冒涜だ」と手厳しい。
『マークスの山』はまる三も読んだことがあり、同じ疑問を持ったので共感できた。なかなか面白い企画ですよ。
→本の雑誌社公式サイト
読んでみようかなと思った方へアドバイス。
『本の雑誌』はどこの本屋さんにもあるというようなメジャーな雑誌ではありません。そのかわり、図書館に行けばまず間違いなく置いてあります。バックナンバーも読めると思いますよ。