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替え歌二題

2003.7.3

 1日に(別々の番組でだけれど)『異邦人』と『三百六十五歩のマーチ』を耳にした。それで思い出したそれぞれの替え歌が今日の話。

 まずは『異邦人』(唄・作詞・作曲:久保田早紀)。これは麻雀がテーマの替え歌。

男たちは卓に向かい 両手を広げ
ハクハツチュンまでも自模ツモろうとしている
その姿は昨日までのずっと徹夜続き
きっとこの指が自模ツモると信じている
ポンとチーとが飛び交うなかで
闇からの黙聴牌ダマテンを待ってる君
あなたにとって私 ただのメンタンピン
ちょっと振り込んでみただけの大三元

 うーん。よくできてる。大学のときに友達に教えてもらったものなので、たぶんきちんとした著作権者がいるはずだけれども、思い切って書いてみました。

 

 続いて『三百六十五歩のマーチ』(唄:水前寺清子/作詞:星野哲郎/作曲:米山正夫)は超伝導がテーマの替え歌。こちらはまる三が大学生のときに作った替え歌なので、大手を振って発表したい。

卒論はまだできてない*1 だから実験するんだよ
一日一個 三日で三個*2 三個作って二個割れる*3
超伝導はペロブスカイト*4 秤量 仮焼き 本焼きだ*5
端子を付けたその後は 抵抗測定*6しましょうね
磁化率測って*6 ディフラクト*7とって ワンツー ワンツー
休まないで実験だー

 どうにもわかりづらいと思うので、注釈を加えてみると――

  1. 卒論はまだできてない……これを作ったのは大学4年の2月ころでした(ちなみに、僕が所属した研究室の卒論締切は3月上旬)。
  2. 一日一個 三日で三個……これはちょっと正確ではない^_^;。正確には、1日に1個づつ作るのではなくて、3個ほど作るのに2〜3日かかっていたのです。
  3. 二個割れる……これは本当(T_T)。端子をつけようと思って押さえつけたりするとあっという間に割れてしまうのでした。
  4. ペロブスカイト……1986年秋、IBMチューリッヒ研究所のミュラーさんとベドノルツさんが、酸化物高温超電導体を発見しました(翌年ノーベル物理学賞を受賞)。この物質の結晶構造がペロブスカイトと呼ばれるものです。こんな構造だそうで、6月26日に発表された超伝導世界最高記録は、(Nd, Eu, Gd)-Ba-Cu-O((ネジウム/ユーロピウム/ガドリニウム)-バリウム-銅-酸素)系とのこと<まる三もよくわかってないけど^_^;。
  5. 秤量 仮焼き 本焼きだ……試料を作るためには、原材料を1/1000mgまで測れる精密天秤で測るのだけれど、これが秤量。秤量した原材料を乳鉢で30分くらい混ぜた後に成型して2〜3時間電気炉で焼くのだけれど、これが仮焼き。いったん固まったヤツをまたまた乳鉢で1時間くらいかけてすりつぶして5時間(?)くらい焼くのが本焼き。酸化物超伝導体を作るのは、原材料の質量比に敏感な陶芸家みたいな作業なのである。
  6. 抵抗測定&磁化率測定……ある温度以下になると電気抵抗がゼロになるのが超伝導体であるのだけれど、同時に、磁化率というものが異常な変移を見せ、磁界が排除されたりする。ま、こう書いているまる三本人もよくわかっていないのだけれど^_^;。
  7. ディフラクト……日本語で言うと“X線回折”。これを行うと、原子配列がどんな構造をとっているかがわかる(ことになっている^_^;)。つまり、ペロブスカイト構造になっているかどうかを調べるわけです。

 うーむ。理解してもらうのはムリか^_^;。研究室内部では爆笑だったことを付け加えて自己満足に換えさせていただきます。