←前回 次回→ ?今月の目次 ジャンル別一覧  ご意見ご感想はこちらから

三行書評 第117回

2003.9.22

 五つ星が満点。

竹下節子
『ジャンヌ・ダルク超異端の聖女』
(講談社現代新書ISBN4-06-149337-X)
お薦め度 ★★★★★
あらまし 見神者・処女・戦士・男装の両性具有者(アンドロギュノス)・火刑に処せられた異端者・名誉回復の聖女など、さまざまな側面を持つジャンヌ=ダルク(ジャンヌ乙女(ラ=ピュセル))。ジャンヌが人気を博した先駆的状況や14〜15世紀フランスの思考が分析されている。
コメント ジャンヌ=ダルクだけが脚光を浴びている感があるけれども、いろいろな聖女がいたんだね。こういうのを読むと、『その時歴史が動いた』(NHK水曜21:15〜22:00/9月10日に取り上げた)なんて薄っぺらなものに思えてくる。
榊佳之
『ヒトゲノム』
(岩波新書ISBN4-00-430728-7)
お薦め度 ★★
あらまし 2000年6月、クリントンとブレアが高らかに宣言したヒトDNAの全塩基配列解読。国際ヒトゲノム計画のこれまでと、今後の課題を語る。
東京大学綜合研究会
『ゲノム東京大学公開講座76
(東京大学出版会ISBN4-13-003106-6/)
お薦め度 ★★★★★
あらまし 同前。東京大学公開講座で行われた専門家8人の講演録(ただし速記録ではない)。
コメント 前者は「プロジェクトに参加した学者の手記」という印象が強い。そういうレベルの比較でもって★に差がついたと思ってください。講演録なので冒頭部分が重複していたりするけれども、それがまた復習になったりしてわかりやすかったということもある。完全とは言えないけれどもずいぶん把握させてもらいました。