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三行書評 第132回

2004.1.12

 五つ星が満点。

宮嶋茂樹
不肖・宮嶋国境なき取材団』
(新潮社ISBN4-10-423803-1)
お薦め度 ★★★★★
あらまし ペルシャ湾・ルワンダ・ゴラン高原・トルコといった自衛隊派遣地、ルーマニアやコソボといった戦闘地域、さらに自衛隊の演習を訪れた取材日記。
コメント ハードな――どこでも野営・危険な移動・足りない時間――取材行程に驚愕した。恐るべし、不肖・宮嶋。
本多勝一
『アメリカを見よ貧困なる精神R集
(朝日新聞社ISBN4-02-257869-6)
お薦め度 ★★★★★
あらまし 真の右翼」を自称する著者が考察するイラク戦争。
コメント 「マスメディアでは報じられない話題が満載されている。まとまった文章(長期連載)ではないので繰り返しが多いけれども、一読の価値はあると思う。
椎名誠
『地球の裏のマヨネーズ』
(文藝春秋ISBN4-16-365230-2)
お薦め度 ★★★★
あらまし 『週刊文春』2002年1月17日号〜2002年10月24日号に連載した「新宿赤マント」をまとめたもの。単行本化第15弾(だと思う)。
丸谷才一
『絵具屋の女房』
(文藝春秋ISBN4-06-365360-3)
お薦め度 ★★★★
あらまし こちらは『オール讀物』2002年5月号〜2003年8月号に連載されたエッセイをまとめたもの。
コメント 週刊誌と月刊誌の違いはあるけれども、挿絵(沢野ひとしさんと和田誠さん)がついているところや、本の話題が出てくるところなど類似点が多いように思う。
丸谷才一・山口瞳・高島俊男・椎名誠の四氏が“まる三が選ぶエッセイ四天王”なのだが、いずれも未読が残り少ない点がちょっと寂しかったりするまる三です(特に山口さんは故人だし)。
原武史
『鉄道ひとつばなし』
(講談社現代新書ISBN4-06-149680-8)
お薦め度 ★★★★
あらまし 。《ひとびとを運び、歴史を動かしてきた鉄道。日本の近現代の歩みと地域差、日本人の時間意識まで――鉄道の見方が変わる珠玉の全76話》表紙から引いた言葉だけれども、さすがに編集者はうまいことを言う。
コメント 駅から見た東京に出づらい都道府県ランキングといったマニアックな指摘から痴漢といった社会問題まで取り扱っている一風変わった鉄道本。