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一皮むけた(?)池脇千鶴

2004.7.21

 先週12日から、NHK総合23時からの連続ドラマ(通称“よるドラ”)で『火消し屋小町』が始まった。

 主人公は南夏子。親のおかげで私立幼稚園に入園したあとはエスカレータ式で短大を卒業。コネで証券会社に入社したものの5時になるや否や退社して合コンへ行くけれども、恋人探しが目的ではなくタダで飲み食いできるからである(漫画家志望の恋人が既にいる)。座右の銘は「人生はちょろい」。ところがある日出社してみると社長が夜逃げして会社は倒産。蓄えなどあるはずもなく求職活動を行うが、給料の高さと全寮制に惹かれて消防士になる――というような話。逢坂みえこさんの同名漫画が原作である。

 で、この南夏子を演じているのが池脇千鶴さん。あまりドラマを見ないまる三にとっては『ほんまもん』(2001年NHK)以来の再会(?)だ。『ほんまもん』のときのまなじりを決して眉間にしわを寄せているような役柄よりも、人生はちょろいと思っているような役柄のほうが似合っている。2週目に入ってからは真剣な面も演じているのだけれど、“人生はちょろい”と思っている基調音がそこここに滲みだしてきていて、そのギャップがまた面白い。言い忘れたけれども、基本的にはコメディドラマである(と思う)。

 こんなこと言われたって本人は喜ばないかもしれないけれど、上手いなぁと思っている。