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地震報道に思う
あるいは公共放送にできること

2004.10.24

 新潟県で震度6強3回をはじめとした大きな地震が続いているので、NHKは予定していた番組を中止(延期)して地震報道を続けた。

 こういう大きな災難が起こった場合、最優先で考えなければいけないのは現地の人たちのこと、二番目が現地に知り合いがいる人たちの心配だと思う。「どうなっているんだろう」という赤の他人の野次馬根性は下の下の優先度でよいと思う。

 この前提が正しいとすれば、優先されるべきは――

余震が続いていますので安全なところに避難してください
とか
○○市では、市内の全小中学校を避難所として準備しています

 といった情報のはずであって、「箪笥や食器棚が倒れてきて部屋の中がぐちゃぐちゃ」という体験談や「どこそこの道路が陥没しています」といった情報ではないように思う。

 電話もなかなか通じない状況で情報が不足していることは分るけれども、事故(事件)が起きたら体験者(目撃者)談話とか、絵になる事柄を探すといった短絡的な反応は考え直してもらいたいなぁ。

画像や体験談を見たり聞いたりすることで「一大事だ」と感じ、復旧ボランティアに行く人もいるわけで、まったくないがしろにできるものでもないとも思います。

 教育テレビとFM放送で安否情報を放送していた。「十日町市の○○○○さんへ東京都渋谷区の△△△△さんから『心配しています。連絡してください』」といった問い合わせや「小千谷市の○○○○さんから『家族全員無事です。安心してください』」といった連絡をアナウンサーが淡々と読み上げる放送をしていた。これには頭が下がりました。放送=一過性という特性(聞き逃したらそれまで)のせいか、「災害用伝言ダイヤルに録音してください」というのメッセージも聞かれたけれども、やるべきことはやっているという感想を持ちました。

公共放送にできること”はまだまだ残っているような気がします。