←前回 次回→ ?今月の目次 ジャンル別一覧  ご意見ご感想はこちらから

“手前提灯”

2004.12.8

 3日の夜、『いま日本から世界へ』(NHK総合/19:30〜20:45)という番組が放送された。極めて簡単にまとめてみると――

  • 司会は小野文惠アナ
  • 秋元康さんと星野知子さんがゲスト
  • 『冬のソナタ』を制作したKBSの海外売り込みの模様を紹介
  • アルジャジーラの世界展開戦略を紹介
  • 英BBCの国際ニュース放送を紹介……

 実は、このあたりまでで見るのをやめてしまった。どのみち、“だから、皆様のNHKも頑張ります、いや、頑張らなければなりません”という結論が出るに決まっているからだ。そのうえ、司会に小野アナを起用したことが紅白歌合戦に向けての知名度アップとしか思えなかったからだ。

馬鹿馬鹿しいったらありゃしない。

 こういう意図で制作された(であろう)番組にぴったりの言葉を考えついたのが“手前提灯”という造語。手前味噌と提灯持ちから作ってみました。

小野文惠アナに関する個人的評価はかなり高いのです。高いのですが、その魅力はバラエティ番組で発揮される類のものでしょう。今回のような硬い番組への起用は明らかにミスキャストでしょう。

BBCのニュース放送の紹介のとき、“公正中立な報道姿勢”の例として「ジェシカ=リンチ上等兵救出茶番劇の暴露」を紹介していましたが、これは論理のすり替えだと思います。“公正中立な報道”ではなくて“(三権の監視役としての)第四の権力の機能行使”でしょう。そもそも公正中立な報道なんていうのは――まる三に言わせれば――幻想でしかないでしょう。