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三行書評 第195回

2005.4.11

 五つ星が満点。

山口瞳
『湖沼学入門』
(講談社文庫ISBN4-131686-X)
お薦め度 ★★★★
あらまし 余呉湖・赤城大沼・涸沼など一二ヵ所の湖沼を旅して水彩画をものにしようという紀行文。
コメント 最終回が宍道湖なのだけれど、このときが行きつけの店の一つ皆実館との出会いである。
山口瞳
『血涙十番勝負』
(講談社文庫ISBN4-06-131636-2)
お薦め度 ★★★★★
山口瞳
『続 血涙十番勝負』
(講談社文庫ISBN4-06-131637-0)
お薦め度 ★★★★★
あらまし 《序盤五級、中盤二段、終盤十級》を自称する著者が、プロ棋士に飛落(続篇では角落)で挑んだ自戦記。昭和40年代の後半――米長邦雄や中原誠が若手のホープと呼ばれていた時代――なので、加藤義雄十四世名人(続篇第10番)や大山康晴十五世名人(正篇第8番)も登場する。
コメント 僕は将棋ができない。駒の動き方くらいは知っているけれど、局面を見ても次の一手は思い浮かばないし投了図を見てもどうして投了してしまったのか分らない。そんな僕でも楽しめたのは、本書が《現代花形棋士銘々伝》になっているからだ。
ナンシー関
『ナンシー関の「小耳にはさもう」ファイナルカット』
(朝日新聞社ISBN4-02-257977-3)
お薦め度 ★★★★★
あらまし 『週刊朝日』の連載コラム「小耳にはさもう」のうち、単行本文庫本未収録作品を集めたもの。
コメント 時には感心して唸っちゃうもんなぁ。やっぱり上手いわ。返す返すも生前リアルタイムで知らなかったのが残念。