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三行書評 第198回

2005.5.9

 五つ星が満点。

石川英輔
『大江戸番付づくし』
(実業之日本社ISBN4-408-53404-8)
お薦め度 ★★★★
あらまし 山・川・料理茶屋・女房など、江戸時代に発行された“番付”を総覧する。『週刊小説』の連載。
コメント 別格扱いは行司や勧進元(主催者)になっており、それを確認するのが妙に面白かった(たとえば山番付の勧進元は駿河の富士山と大坂の天保山になっている)。ところで、酒合戦番付を見ると、三升六合とか六升二合を飲んだって言うんだけどホントですかね。
吉村昭
『史実を歩く』
(文春新書ISBN4-16-660003-6)
お薦め度 ★★★★
あらまし 史実に基づいた作品を数多く――『戦艦武蔵』『深海の使者』『長英逃亡』『桜田門外ノ変』『天狗騒乱』『破獄』など――持つ著者が、素材との出会いや調査について著した手記。『カピタン』(文藝春秋)に連載。
コメント 天候や街並など突き止められそうな事実にはとことん迫っていく姿勢に恐れ入りました。
山本博文
『対馬藩江戸家老』
(講談社選書メチエISBN4-06-258038-1)
お薦め度 ★★★★★
あらまし 《徳川吉宗の治世である享保期(一七一六−一七三五)を中心に、江戸時代の日本と朝鮮の外交を、対馬藩をとおして見ていこうとするものである。》(「はじめに」から)。
コメント 対馬藩宗家や老中などが家格を高める(維持する)ために行った様々な政策や、踏まなければいけない手続きが煩瑣で大変だなぁと思った。
渡辺憲司監修
『江戸三〇〇年吉原のしきたり』
(青春出版社ISBN4-413-04100-3)
お薦め度 ★★★★
あらまし 成り立ち・仕組み・暮らし・遊び方が明かされる。
コメント 花魁のランクは大夫から切まで六段階だとか、歴代高尾大夫の略歴だとか、料金体系だとか、興味深い話がどんどん出てくるんだけど、冷静になってみると、ホントーに何の役にも立たないのであった。