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2日目




お宿の京風な朝食も魅力的でしたが、時間を有効活用したいので、ふたばの餅菓子とお茶でささっと済ませました。
和菓子とお茶って寝起きの脳には即効力らしいよ・・・と言い聞かせつつ・・・

朝から晩まで丸々使える中日の今日も闊歩しましょう!
昨日買っておいたバス・地下鉄乗り放題チケットを有効活用しながらね。

時間があれば踏破したい哲学の道ですが、時間が押しているので今日は半分位にしておきましょう。
ならば運行本数の多い錦林車庫まで行って歩き出すのが手っ取り早いですね。
ポツポツと窓に当たり始めた雨粒は、降りる頃には傘が必要なほどになってしまいました。


哲学の道

哲学者、西田幾多郎がこの道を思索にふけりながら散歩していたことから「思索の小径」と言われていたが、
愛弟子の田辺元や三木清らも好んでこの道を散策したことからいつしか「哲学の道」とも言われるようになり、1972年に正式に「哲学の道」と銘々された。


京都に来たら必ず1度は早朝に散歩するようにしています。
今朝は雨のせいか人出は少なく、そして傘がなくてもどうにかなる程度になってきたのでラッキー。
湿気を帯びた木々は鮮明で、清々しい散歩を楽しみつつ、向かうはかなり久し振り5度目の銀閣寺です。


慈照寺(銀閣寺)

祖父である足利義満が建てた北山山荘(金閣寺)を参考に、
室町幕府8代将軍の足利義政が延徳2年(1490年)に東山文化の代表として造園した東山山荘で、
正式名称は慈照寺であるが、東山山荘の楼閣を銀閣と呼ぶことから、寺院全体が銀閣寺と称されている。

1994年、「古都京都の文化財」のひとつとして世界遺産・文化遺産に登録された。



銀閣寺道から銀閣寺まで長い参道があり、さらに銀閣寺の総門まで石畳が続いています。
総門をくぐり右に折れると、見事に切りそろえられた高い生垣の銀閣寺垣が中門まで約50mほど続いているのですが、
当初の目的は防衛のために造られたものだそうです。

向月台と観音殿 手前に銀沙灘

銀閣寺の見所はなんと言ってもその美しい庭園ですね。
観音殿前には砂を波形に盛り上げた銀沙灘(ぎんしゃだん)と、円錐型の上部を切り取ったような向月台(こうげつだい)があります。
波を表現し月の光を反射させるために施されたという銀沙灘、上に座って東山に昇る月を眺めたと言われている向月台、
どちらも現在のような形になったのは江戸後期になってからだそうです。
観音殿の前には、錦鏡池を中心に、1952年に特別史跡・特別名勝にも指定された池泉回遊式庭園が広がっており、
そんな広大な銀閣寺の全景を見渡すには、少し高いところから眺めるのが一番です。

観音殿と錦鏡池 高台から・・・

金箔が貼られた金閣寺のように銀閣寺も銀箔が貼られていたという説もありましたが、調査の結果、銀箔を貼った痕跡はないそうです。
茶道を趣味とし禅宗文化に帰依する義政には、創建当初から銀箔など貼る気はなかったのではないでしょうか。


昨日京都に入ってから予約をとった昼食の時間まであと1時間、お店へ行く時間を差し引くと、もう一ヶ所見学するには中途半端・・・
ではそのお店の近くまで行って時間調整することにしましょう。


やって来たのは粟餅の澤屋。デパートとかに出していないのでここに来ないと買えません。
当日中に食べないと固くなってしまう素朴ながら繊細な和菓子です。
いつもはお店で食べるのですが、このあとすぐお昼になるので持ち帰りにしました。


お昼の予約をしたのは漬物で有名な近為(きんため)。
近為の支店は他にもありますが、「お茶漬席」をいただけるのは本店のみになります。


静かな空間でしっぽりいただけるのがいいですね。今回も坪庭側のお席だったので落ち着けました。

みりん漬瓜のお寿司ポインタしてね 柚こぼしと浅しばポインタしてね 白みそ仕立ての京風雑煮 季節の漬物盛合せポインタしてね
切干大根の煮物 最後はぶぶづけ

緑茶と共に出されたのは、瓜のみりん漬けで寿司飯を巻いたひと口サイズのお寿司、実山椒が良いアクセントになってます。
空になったお皿と湯呑が下げられると次は・・・
木の芽をあしらった筍の柔漬(画像なし)、柚の香りが口に広がる柚こぼし、胡瓜のシソ漬けの浅しばが運ばれお茶は番茶に変わります。
次は京風雑煮、焼いた丸もちの上に柚の皮と辛子がのせてあり、それを甘味のある白みそのつゆに溶かしていただきます。
このお雑煮もいつも出るのですが何度食べても好きです~
そして大きな蕪の形の盛鉢に目にも鮮やかな色々なお漬物、そして切干大根の煮物、木の香豊かなお櫃でのご飯、そして玄米茶が届きます。
赤と青の二種類のしば漬け、西瓜のみりん漬け、かつお大根、たくあんの千本漬け、昆布漬けの日野菜、白かぶ、胡瓜はだいたいいつも、
そして2~3種類が季節によって変わって供されます。
「一膳目はちりめん山椒をかけて、二膳目は玄米茶でお茶漬けにして・・・」と案内されますが、白いご飯でいただく方が私は好きです。

お漬物づくしなので贅沢さはないですが、漬物好きとしてはどれもこれもがご馳走です。
お漬物に合わせてお茶を変えてくれるのも素敵でしょ?どのお茶もこれがまた美味しいのです。
毎度ほとんど同じ内容ですし、もう10回以上もいただいてますが飽きません。しかもお安い!
だから次もまた来てしまうでしょうねぇ。
荷物になるけどちょこっとお漬物を買って、満足して近為を後にします。


せっかくの乗り放題券があるのでちょっと遠出しましょう。目指すは京都の北にある大原です。
大原のバス停から三千院までは、ダラダラの上り坂を20分ほど息を切らして歩きます・・・

三千院(三千院門跡)

最澄の時代に比叡山に建立された円融房に起源をもち、のちに比叡山東麓の坂本(現・大津市)に移され、たび重なる移転の後、1871年に現在地に落ちついた。
「三千院」あるいは「三千院門跡」という寺名は1871年以降使われるようになったもので
それ以前は「梶井門跡」「梶井御所」「梶井宮」などと呼ばれ、「梨本門跡」「円徳院」などの別称もあり、「円融房」が正式の寺名だった。

御殿門

数段上った御殿門から入り、拝観受付をし、靴を脱いで上がった建物は豊富秀吉が建立したという客殿で、
下村観山を初めとする明治の画壇を代表する錚々たる面々作の襖絵や、王義之の書いた碑「鵞」の拓本が見ものです。
上がった所からではなく反対側のお庭から出るので、履物は持って拝観することになります。(ビニール袋あり)


出た所のお庭は聚碧園(じょうへきえん)。
大原の里を流れる律川から引いた清流がせせらぎとなり、自然の樹木を背景に池泉と築山で構成しています。
少し歩くと見えてきたのが、杮葺き(こけらぶき)入り母屋造りの往生極楽院です。

往生極楽院

小さなこのお堂も靴を脱いで拝観する事ができます。
中央に阿弥陀三尊(中央に阿弥陀如来、向かって右側に観音、左側に大勢至菩薩)が祀られていました。

手前は金色水、後方は往生極楽院 わらべ地蔵

往生極楽院前に広がる深い緑の苔に覆われた有清園は、低木とそそり立つ杉の木立が相まって陰影までもが美しいです。
その木々の足元を覆うビロードのような苔の中から、可愛いらしいわらべ地蔵さんがひょっこり覗いています。
寝転んで頬杖ついている子や肩を並べて寄り添っている子・・・表情豊かでなんだかほっこりした気分になりました。

四季折々の花も楽しみな三千院はお庭がきれいなので歩くだけで気持ちがいいですね。
一番上の観音堂まで上ってから反対側を少し下りた所に、京都市で最大最古の石仏といわれる阿弥陀石仏がありました。

ポインタしてね

高さ30cmの蓮華座に定印結跏趺坐している阿弥陀石仏は、鎌倉時代中期の作と言われています。
花崗岩を木彫の手法で彫った高さ2.25m、幅1.8mの石仏で、背後の二重光背は自然石のままだそうです。

最後に、出口脇にある平成18年に作られた収蔵庫である円融蔵(えんにゅうぞう)に入ってみました。
往生極楽院と同じ船底型の天井、創建当時の極彩色の壁画を復元し、極楽浄土の世界を再現しています。
鎌倉時代の木造救世観音半跏像や不動明王像、客殿にあった襖絵など多くの文化財も収蔵され、
係の人が展示物を説明してくれるので細部までよく理解できました。

下り坂なのでラクラクバス停に戻ると、バス待ちの結構な列ができていましたが始発なので楽勝で座れました。
北のはずれの大原から市内に戻り、乗り換えて西のはずれの嵐山に向かいます。バス乗りまくりです・・・


渡月橋

名前の由来については古く平安時代に遡り、当時、嵐山天龍寺のある場所に亀山庭園を持っていた亀山上皇が、
曇りのない夜空に月が橋を渡っていくように見えた様子から、「くまなき月の渡るに似る」と感嘆をされたことから、渡月橋と命名されたと言われている。
平安時代の渡月橋は現在より200mほど上流に位置していたが、洪水での流失や応仁の乱での焼失で幾度か架け替えられ、
1606年に嵯峨の富豪である角倉了以が現在の位置に架け、1934年にコンクリート橋(欄干だけが木造)に架け替えられた。


ポインタしてね

嵐山のシンボルともいえるこの渡月橋を境に、上流を大堰川(おおいがわ)、下流を桂川といいます。
その桂川の中州にある中之島にちょっと下りてみましょう。
三千院の参道で、紫蘇風味のソフトクリームをひとくち食べただけだったのでちょっと小腹が空いてきました。
川風が少し肌寒くなってきましたがさっき買った粟餅を・・・
渡月橋越しの暮れなずむ錦織の嵐山(375m)を眺めつつ花より団子です。

当初は1日かけて2地区、清滝から見学しながら嵐山まで歩き、大原へ・・・又はその逆と思っていたのですが、
お昼ご飯の関係で半日で両方回ってしまいました。ちょっと無理がありましたね。
肌寒くなってきたし暮れて来たので、渡月橋付近だけ歩いてからバスで市内へ。
昨日予約しておいた鯖寿司をピックアップしてからお宿に戻り、荷物をおいたらすぐまた出かけます。

京都タワーのイルミネーション

やって来たのは三喜。
ずっと気になっていたネギ焼きのお店ですが、夜からしか開けないし場所が不便なのでなかなか来れなかったので楽しみです!

牡蠣ほうれん草 こけこっこ焼き ニンニクチップ
トンペイ焼き ネギ焼き

予想通り小さなお店でしかも混んでおり、そのほとんどが常連さんみたいでした。
カウンターだったので作っているのが見え、女主人?ともお話しができて楽しかったです。
キビキビしつつ柔らかい物腰の若いスタッフも感じが良かったですが、お料理は全体的に普通に美味しい・・・ってとこでしょうか。
意外や、ネギ焼きより、ぷっくり大きな牡蠣がゴロゴロ入ったほうれん草のソテーがインパクト大でナイスでした。
公共交通機関を利用する場合、場所がちょっと不便なのがネックですね。

帰る頃はバスも本数が少なくなりなかなか来ないので、結構歩いて地下鉄駅まで行き地下鉄+バスを乗り継いで帰りましたが、
今夜も門限ギリギリで不良客ですなぁ・・・



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