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3日目



こちらのお宿は釣り目的のお客さんも多いらしく、6時という早い時間から希望の時間で朝食を用意してくれます。

世界遺産登録を目指している長崎県の教会堂などは、事前にWEB上から見学日時の予約が必要で、
今日一番の目的はその内のひとつ頭ケ島(かしらがしま)天主堂、朝イチの9時で予約を取っておりました。
お宿から約50分かかるので、余裕を持たせた出発時間から逆算し、ちょっと早めの6時半に朝食をお願いしておきました。

野菜の煮物が3品も♪ きびなごの醤油漬け 機能的〜ポインタしてね

朝食も評判がよかったのですが、豪華だった夕食が頭の片隅にあるので・・・でも一品一品手作りで美味しかったです。
基本的に野菜が好きですが、海に来たら海の幸尽くしが私にとってのご馳走。で、ブリの照焼き、きびなごの醤油漬けがうれしい♪
小さなおひつがひとりひとりに付くのも、温かい心遣いですねぇ。


◎五島ちょこっとガイド

・五島列島は約140の島々からなり、大きな5つの島(福江、久賀、奈留、若松、中通)があることから五島と呼ばれる。

・五島は、佐世保市、北松浦郡小値賀町、南松浦郡新上五島町、五島市、の4つの自治体から成っている。
 住所録や案内などの表記は、島名ではなく自治体名の場合もある。
 例えば、「中通島」と書いてあれば分かりやすいが、「南松浦郡新上五島町」と表記されることも多い。

・上五島は、若松島から上の7つの有人島と60の無人島からなり、下五島は、奈留島から下の11の有人島と52の無人島からなる。

・橋で繋がっている島も若干あるが、島間の移動は基本的に船。複数の港がある島もあり、出発港や目的港が異なるので注意が必要。


・教会では、靴を脱いで入場し、電燈のスイッチを自分でオン、帰る時はオフするのがマナー。
 うしろに他の見学者がいる場合は、「電燈のスイッチお願いします」と声を掛け合う。

・ ルルド(Lourdes) はスペインに近いフランス南西部の小さな町で、聖母マリアの出現と「ルルドの泉」でカトリック教会の巡礼地となった。
 実際のルルドは洞窟の中に泉がある。
 五島では(たぶん他も?)、洞窟風の崖を模し、聖母マリア像などを配し、清らかな水を湛える・・・を、ルルドとしている。


さ〜て出発!どんよりした空からポツポツと落ちる物が・・・(-.-)
公共の乗り物でお天気が悪いと最悪ですが、今日は夕方までレンタカーなのでまだ救われますわ。
若松島から若松大橋を渡ると、島全体が十字架の形と言われる中通島(なかどおりじま)です。

今回のお供は白いヴィッツ 若松大橋


主要な島の中で最も東に位置し、福江島に次いで2番目に大きい中通島。
50ある教会の30が上五島に、20が下五島にあり、日本三大うどんでもある五島うどんの製麺所はこの島が一番多いそうです。

ちょっと強くなったり止んだり・・・を繰り返す雨の中、昨日一往復した慣れた道をみたび有川まで走り、
それ以降は、ナビが頼り・・・的な道を走り、頭ケ島大橋を渡って頭ケ島へ。

頭ケ島大橋

★本日訪問した教会や天主堂などは全て内部撮影禁止のため、外観だけの画像になります。★

狭い道をクネクネ進んで、世界遺産候補の頭ケ島天主堂へ。
手前の駐車場はチェーンで入れないようになっており???状態でいたら、
観光タクシーのドライバーさんが雨の中来てくれて、海側を回り込んだ駐車場を教えてくれました。

頭ケ島天主堂
(かしらがしまてんしゅどう)

鉄川与助の設計・施工で、対岸の島などから切り出した石を積み上げ、10年の歳月をかけて1919年に完成した石造平屋の教会堂。
五島唯一の石造教会建築であり、鉄川与助が手掛けた最初で最後の石造聖堂作品でもある。
ロマネスク調で単廊式、天井はアーチやヴォールトを用いず、二重持送りのハンマー・ビーム架構で折り上げられている。
船底天井と五島列島の椿を模した花装飾、そして青を基調とした華やかな雰囲気が美しく、「花の御堂」とも呼ばれている。
2001年、国の重要文化財に指定。世界遺産登録を目指している。

(参考:長崎県観光連盟の資料)

花のきれいなアプローチ 後ろは山、前は海・・・ 歴史の重みも感じる重厚さ

結構肌寒い日だったので、足裏からヒシヒシと冷たさが伝わってきます。(マイスリッパ持参して正解)

天主堂と駐車場の間に資料や椅子もある暖房の効いた待合室があり、外側ですがトイレも完備していました。
さすが世界遺産登録を目指しているだけありますねぇ。
 
駐車場から回り込んで進むと、海を見下ろすように頭ケ島キリシタン墓地があります。
日本のお墓と同じような墓碑ですが、どの墓石の上にもクルス(十字架)が添えられていました。

頭ケ島キリシタン墓地 人骨が見つかったという浜 それでも海はきれい



教会ではないけれど近いので、「坂本龍馬ゆかりの広場」に寄っていきましょう。
龍馬が購入したワイル・ウエフ号が遭難にあった潮合崎を望む高台に、
12名の同志の死を哀悼するための慰霊碑と、合掌する祈りの龍馬像が建てられています。

龍馬像と慰霊碑 合掌する龍馬像



頭ケ島を抜け再び中通島へ、次に向かうは有川からすぐの旧鯛之浦教会です。
(もしかしたらこちらの教会は資料館になっているので撮影可だったかも?不確かだったので撮っていませんが・・・)

旧鯛之浦教会
(きゅうたいのうらきょうかい)

上五島における布教の中心として1881に設立。1903年建立の木造瓦葺き教会の老朽化により、1949年にレンガ造りの鐘楼腰を正面に増設。
三廊式、主側廊共に漆喰仕上げのリブ・ヴォールト天井、列柱は四角柱、柱の間隔は狭く、伸びやかなリブ・ヴォールトのせいで空間を感じさせる。
鐘楼塔には旧浦上天主堂の被爆したレンガも使われている。
(参考:長崎県観光連盟の資料)

鐘楼塔は旧浦上天主堂の被爆レンガを使用 ルルドの手前にはポインタしてね 湧水を引いたルルドポインタしてね

旧聖堂横には、「鯛の浦と言えばルルド」と言われるほど有名なルルド、あふれる聖水は山から引いたものだそう。
その手前に、ブレル神父、ヨハネ五島、中田画伯、森松次郎翁などの像が建っています。


傘を手放せない状態での見学や撮影は結構面倒です・・・
この後は、十字架の形の島の、縦方向の上(北)へと車を走らせます。

青砂ケ浦教会
(あおさがうらきょうかい)

数多くの教会堂建築を手がけた鉄川与助が建てた3つ目の教会堂であり、煉瓦造りの教会としては2つ目となる1910年建立のレンガ造の重層屋根構造。
平面は三廊式バシリカ型、内部は木造円柱で身廊と側廊に区切り、リブ・ヴォールト天井でポインテットアーチが美しい。
2001年に国指定重要文化財、2010年に献堂100周年を迎えた。
(参考:長崎県観光連盟の資料)

正統派の美しい佇まい

真西に向いたファサードなので、春分・秋分の日には、大小3個の丸窓から差し込む夕陽が、祭壇中央と2体の像を照らすんですって。素敵♪


昨日、若松港から乗ったタクシーの運転手さんが、「ステンドグラスが綺麗」と言っていたので行ってみることに・・・
当初予定していなかったのですが、地元に詳しい人の話は聞くに限る・・・と仲知教会へ。

仲知教会
(ちゅうちきょうかい)

1882年に江袋に聖堂が設立され主任教会となっていたが、1932年ごろ主任座が仲知に移された。
現在ある聖堂は、1978年に建立、献堂された。三廊式、光を取り入れるため一面のステンドグラスが美しい。
ステンドグラスには聖書の場面が施され、イエスが漁師を弟子とする場面では、当時信者の中心として建設に関わった住民も登場している。
(参考:長崎県観光連盟の資料)

仲知教会 ポインタしてね ファチマの聖母像と羊飼ポインタしてね

お勧めして下さっただけあって素晴らしいステンドグラスでした。
ガリラヤ湖を渡る奇跡、エルサレム入城、最後の晩餐、キリストの奇跡の場面などが、聖堂の壁面全てに描かれていました。
そして正面入り口の左手(外側)にあるのがファチマ(ファティマ)の聖母像と羊飼いのジオラマ、
これは1981年2月にヨハネ・パウロ二世が来日された際の記念碑のようです。


さて十字架形の島のてっぺんの津和崎燈台を目指し、さらに上へ上へと車を走らせます。
ナビが「目的地付近になりました」と案内を中止したけれど、
お天気が悪いだけでなく、道もわかりずらく足元も悪いので燈台へ行くのは中止。来た道をまた戻ります。

カーブの所に位置し後続車があったため、往路通り越してしまった曽根教会へ。
(これら3教会の実際の位置関係は、上(北)から、仲知、曽根、青砂ケ浦の順です。)

曽根教会
(そねきょうかい)

1881年に建てられた2代目の教会は、あの鉄川与助が初めて教会建築に携わったという記念碑的な建物だったが、
1899年に本堂と司祭館が増築、そして1966年に現在の地に移され改修された。
現在の教会堂は、青い海をイメージしたような祭壇と、シンプルなステンドグラスの近代的な教会。
(参考:長崎県観光連盟の資料)

下から撮るしかない曽根教会 右手にはルルドポインタしてね

必ずしも写真の撮りやすい位置に教会はありません。曽根教会も同様で坂の中腹にあり、全体像がうまく撮れません。
現在の教会堂は1966年に建立されたもの。内部はすっきりとした近代的な雰囲気で、ステンドグラスも祭壇もシンプルでした。


お次は・・・矢堅目の駅(やがためのえき)へ

予想していたより小規模 塩ソフト、後ろは塩いろいろ

湾に突き出した矢硬目という特徴的な岩山があり、満潮時になるとその遠く向こうから綺麗な水が流れ込んでくるそうで、
その時間に取り込んだ海水で塩作りをしているそうです。
という事で、矢堅目の藻塩と塩ソフトをお買い上げ〜・・・ソフトクリームは少なすぎっ!お味は普通。


もう一軒行きたいお店が近くにあります。それは虎屋さん。細い道を海ギリギリまで下りた所にありました。
元々は製麺所だったのですが、お父様の意思を引き継いだ娘さんの頑張りで、麺だけでなく魅力的な商品もいろいろ♪

お店と気づかないような入口

お目当ては「中秋の名月の塩」。実際のパッケージには「中秋の」と言う文字は小さく書かれています。
名前の通り、旧暦8月15日(十五夜)の満月の夜にくみ上げられた海水で作られる、1年に1度しか作れないという貴重な塩。
中秋の名月=満月の夜、そして満潮時の海水はミネラルのバランスも良くエネルギーがあるのだそう。神秘的だわ。
な・なのに・・・最後の4つが今朝売り切れてしまったそう・・・(涙) 次は半年後ですって・・・
でも・・・ちょっと色褪せた見本があり、「中身は同じですか?」と尋ねると全く同じだというので、売っていただくことに・・・

「こんな雨の中、遠方から来てくれ、しかも見本だから・・・」と割引きしてくれました。
そして節めんもサーピスで頂いてしまいました。こころさん、ありがとうございました。


時間の調整ができる所まで戻っておきましょうと、昨日チェックしておいたカミティ(地元スーパー)へ。
昨日のタクシーの運転手さんの情報から、「うどんはますだ!」だそうで、それも売っていたし、
五島の土産コーナーには、いろんなうどん、塩、練り物や蒲鉾、珍味、椿オイルを使ったカステラなど豊富です。
土産屋で800〜1000円で売っていたオサレな魚のオイル漬け燻製もかなり安かったわ。
保冷剤を入れた保冷バッグが大活躍!


次は中ノ浦教会へ。この道は4度目なのでよ〜く分かります。^^;
若松島へ右折する手前(北側)なので、奈良尾港への時間配分もしやすいですね。

中ノ浦教会
(なかのうらきょうかい)

1925年建立。1966年に入口部を増築するとともに、鐘塔を建て現在に至っている。特別な装飾はなくシンプルな重層屋根の木造教会である。
聖堂の構造は三廊式で、折り上げ天井となっている。
祭壇部分だけが漆喰仕上げのリブ・ヴォールト天井になっているのは不自然で、身廊部分は後世の改築ではないか、という説もある。
(参考:長崎県観光連盟の資料)

入り江に面して建つ、別名「水鏡の教会」ポインタしてね↑ 重層の瓦屋根と白い板張り壁面との対比が美しい

主廊と側廊の間の柱列上部の壁面に、大きな椿が左右五個づつ描かれていました。
緑の葉を伴う赤い花びらは四弁で、十字架を象徴しているか?とふと思いました。

中ノ浦教会の正面左手にもルルドがありました。ポインタしてね



次は奈良尾港近くの福見教会へ。
青空にはお目にかかれなかったけれど、傘を差さなくてもどうにかなる位になってきました。
お天気が思わしくない船の航行スケジュールも不安になるけれど、だぶん大丈夫でしょう。

福見教会
(ふくみきょうかい)

1882年に最初の教会を建てたが2年後の大風で崩壊した。1913年に建立されたレンガ造りの平屋建築が2代目となる現教会。
レンガ造りの天主堂としては珍しく、日本的な格組折上天井を有する。三廊式の内陣は簡素でありながらも美しい。
祭壇部は全て改築部分であり、特別な装飾などはなく、祭壇後方上部に円形アーチ形の縦長窓が左右に配置されているのみである。
左右にステンドグラスが張り詰められ、高い梁張りの天井が特徴である。

(参考:長崎県観光連盟の資料)

レンガ造りの外観なのでとても重厚に見えます・・・

重厚なレンガ造りなのに船底天井、両側に二列ある柱列の柱は細く、ステンドグラスは幾何学模様・・・と、
重厚な外観とシンプルな内部に若干温度差を感じました。


もう少し時間はあるけれど、ギリギリは不安なので見学はこれにて終了。港へ行って運行状況を確かめましょう。
それほど風は強くないので欠航や遅れはなさそう、ならば乗船券を買ってしまいましょう。しまとく通貨は使用不可なのでクレカで購入。
荷物をまとめ、ガソリンを補給し、レンタカー会社へ返車をば。全然チェックもせず、すぐにその車で港へ送ってくれました。


 奈良尾港17:50 〜〜〜 福江FT18:20 

九州商船のジェットフォイルなので全席指定です。なんとシートベルト付!揺れもせず、でも雨で外の景色も楽しめず定時に福江港到着。

このジェットフォイルで・・・ 福江港に着きました。

う〜ん・・・霧雨じゃ・・・タクシー使うには近いので、ピギー引いてズンズン歩いてホテルへ。
今夜のお宿は、2016年4月下旬にグランドオープンしたばかりのコンネホテル。
しまとく通貨もクレカも共に使用可ですが、先払いというのがビジネスホテルならでは・・・かな。
でもホテルの造りだけでなくソフト面も含め全てにおいて満足できるホテルでした。

お目当ての居酒屋に電話をすると・・・出ない・・・定休は日曜のはず・・・あえて出ないのか?
じゃあ焼肉に変更〜ホテルからもすぐ!の、町の小さな食堂風外観の味よしへ。店名が直球ですなぁ・・・
傘をさして出かけましょ。

分厚いロースとカルビを♪ 手作りのキムチ盛り合わせ

五島牛?のロースとカルビを注文すると、出てきたのはステーキにしてもいいような分厚いお肉♪
それを食べやすく切ってありました。肉、超うま〜だわ。タレも美味しい♪ロースをお代わり〜
キムチの盛り合わせは、切干大根だけ美味♪それ以外は・・・(-.-)・・・私の作る白菜キムチの方がずっと・・・以下省略。


ホテルに戻り、部屋にバス・トイレは付いていますが大浴場へ。
キー付のロッカーがあったり、冷たい飲用水が置いてあったり、きれいなだけでなく至れり尽くせりでした。

お部屋で泡を 普通のグラスで、つまみはめんべい

部屋に戻り、博多名物めんべいで泡を。もちろんお風呂上りに缶ビールも呑んでいるので効くわぁ♪その前には生ビールもか・・・
い〜気分でおやすみなさい。


・・・今日買ったもの・・・

矢堅目の藻塩/虎屋の名月の塩 虎屋:節めん/あごうどん/まぼろし 増田のうどん2種 椿かすてら
ばらもん揚と五島巻ポインタしてね 浜口水産の五島巻 ばらもん揚げ&五島巻を切ってみた 蒲鉾ポインタしてね






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