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4日目: エストレモス → エヴォラ


4時、なんだか目が覚めてしまったのでお風呂に入ります。
バブルバスにしてゆった〜り浸かっていたらちょっとのぼせ気味・・・
バスローブを羽織って、4時ちょいすぎで外はまだ漆黒の闇だけど窓を開けてみたら、なんだかすごい!

塔のある方向の下から、最初は火事の煙かと心配するような水蒸気がモクモクと湧いてきて
それが中庭の上空に流れると、キラキラしながらオーロラのように天を舞っているのです!
急いで母を起こして、二人で感動してしばらく眺めていました。
こんな儀式が毎早朝に起こっているのでしょうか・・・それとも今日は13日の金曜日だから?
自然のスペクタクルに感動したせいかちょっと寒くなってしまい、もう一度ベッドにもぐりこみます。

7時半、朝食をとりに下ります。
メインダイニングひとつだけしかないポウザーダなので、
朝食は中庭側の入り口から入り、レストランの半分だけが朝食用にセッティングされていました。
テーブルの上には、昨日のランチの時とは違う、朝らしい爽やかなお花が飾られていました。
冷たいハム・チーズ類、温かいソーセージ・ベーコン・卵料理、シリアル、フルーツなどのビュッフェで、
ちょっとしたホテル並みで普通に美味しいですが、特筆するほどではありませんでした。

エヴォラ行きのバスは、9:50発の次は13時までないので、
もったいないのですが9時にチェックアウトし、バスターミナルへ向います。
今度は下り坂なのでラクチンです。
バス停の前の朝市で、いちじくとプル−ンを購入しているうちにバスがやってきました。

エストレモス→エヴォラ間の所用時間は約1時間、運賃は$565(¥412)とやはり安いのですが
3席ー2席と変則な配列、オンボロバスなので揺れる!揺れる!
朝ごはんのハムで胃の中がムカムカしてきました・・・(>_<)

丘陵地帯に連なるコルク樫の林やオリーブの畑、小さな白い村をいくつか越えて
11時、エヴォラの町の入り口にあるバスターミナルに到着しました。
インフォメーションでマップを貰い、
旧市街のメイン通りである10月5日通りを、ウインドウショッピングしながらタラタラ上って
約15分程でディアナ神殿脇のポウザーダにたどり着きました。
満室なので13時にならならないとチェックインできないとの事、荷物を預かってもらい出かけます。

EVORA
リスボンの東150km、エストレモスから南西へ45km
緩やかな起伏を描き、世界遺産に指定されているエヴォラはポルトガルを象徴するアレンテージョ地方の中心都市です。
博物館都市と呼ばれる程の史跡にとんだ町並みで、かの天正遣欧少年使節が7日間過ごした町としても有名です。


天正遣欧少年使節
使節4人と随員8人の一行が長崎港を出航したのは1582年(天正10年)2月20日、
暴風雨や海賊に悩まされながら、苦難の航海を続けて1584年8月11日にリスボンに到着。
4人の使節の名前は、伊東マンショ、千々石ミゲル、原マルチノ、中浦ジュリアン、いずれも13〜14歳の少年で、
 キリスト教の世界を見聞、体験させて国内の布教に役立るの事を目的にした遣欧であった。



まずはすぐ南側のカテドラルへ。

カテドラル Se
回廊・宝物館のみ有料 (月)休 09:00〜12:00、14:00〜17:00

12〜13世紀に建てられたロマネスクからゴシック過渡期のもの。
正面は要塞のようにごっついのですが、中に入ると美しい八角形のドームが目を引きます。
祭壇の左右にあるバラ窓は、右が神秘のバラ、左が明けの明星を表しているのですが
残念ながら、陽が当たる時間ならきっときれいなのでしょうね・・・でした。
伊東マンショと千々石ミゲルが腕前を披露して喝采を浴びたというここのパイプオルガンは、
イベリア・パイプオルガンといい、扱いが難しいので弾ける人は少ないと言われています。



そろそろランチの時間、
チェックインもしたいので、遠出せずにポウザーダのレストランの素敵な回廊でいただきましょう。

アミューズグールは、オリーブ、チョリソ、豆のサラダ。
そしてオーダーしたのは・・・
・ガスパチョのアレンテージョ風、(アンダルシアのとは違って澄んだスープに具が浮いている)
・Cardo Verde ポテトとちりめんキャベツのスープ (ミーニョ地方のスープですごく美味しい♪)
・Bacalhau a bras タラと玉ねぎとじゃが芋の卵とじ (家庭料理風でやっぱうま〜い)
・Arros de Pato 鴨ご飯のオーブン焼き (めっちゃ美味しい!)
ワイン、水、ビッカ、卵のケーキ・・・名物づくしで美味し・楽し・幸せです♪
これで$10800(¥7884)、他の国に行けなくなってしまいそうな値段ですね。

とっても美味しかったのですが、
ここのウエイターはなめるような遠慮のない目で見るので、あまりいい気分ではありませんでした。

  Pousada dos Loios  ツイン31 スイート1
15世紀に築かれたロイオス修道院を改築した、CHクラスのポウザーダです。

オレンジの木と紫陽花が彩りを添える中庭はガラス張りになっており、
2階建てのマヌエル様式の見事な回廊が庭を取り囲んでいます。

客室は元僧房だったため狭めですが、ベッド回りや家具に温かみを感じました。
迷路のような廊下を歩いていると、意外なところにひょっこりパティオが現れたりして楽しい♪

食後すぐに部屋を貰ったのですが、ポウザーダの中では一番人気と言われている割には・・・でした。
回廊から部屋に入るとすぐ左手がバスルームなのですが、その高窓や換気口が回廊側にあり、
またベッドルームの小窓の向こうもすぐ回廊なので、
なんとなく気になって落ち着けませんでした。

でも、蝋燭立てや陶器の水差しとコップがさりげなく置かれていたり、
白を基調にしたファブリックやリネン、濃茶の木彫りの調度品などはシンプルなのに温かみがあり、
狭いという事、不安なプライバシーの2つをはずせば、雰囲気はとっても良かったです。

さてランチワインの酔い覚まし(笑)に、恒例のプールサイドに突撃です。
ハート型に近い小さなプールの水はかなり冷たいのに、結構年配の人もシャカリキ泳いでいます。
デッキチェアーを確保すると、すぐにバスタオルを持ってきてくれるので
1枚は敷いて、1枚は枕にしてシエスタの準備万端です。
あっという間に8つあるデッキチェアーは埋まってしまいました。

16時半までのんびりしてから部屋に戻り着替えて、郷土工芸博物館に行ったのですが、
手持ちのガイドブックではOPEN時間のはずなのに開いておらず、
あきらめてふらふらエヴォラの町歩きを楽しんで、ふと見つけたバルのテラスでひと休み。
チョコラーテ(ホットチョコ)$160(¥116)、セルベージャ(ビール)$60(¥44)の値段にびっくりです。
充分休憩を取り、またお店を見ながら町歩き・・・
この位の時間になると日帰り観光客もぐっと少なくなり、エヴォラに泊まる人だけの独壇場です♪
パンかごに敷く、刺繍入りのポケット付きクロスを大量にお買い上げ〜

ディアナ神殿 Templo Romama (Templo de Diana)
正式にはローマ神殿なのですが、月の女神ディアナに捧げた所から、ディアナ神殿の方が通りがよい。
2世紀末のローマ時代に造られたコリント様式の遺構で、現在では花崗岩の円柱14本が残っているだけ。
基台と柱頭は近郊のエストレモスで産出された大理石が使われている。
柱頭が崩落した柱もあるが、イベリア半島に現存するローマ神殿の中では一番保存状態が良いとされている。

ポウザーダのお部屋に戦利品を置いたら、ディアナ神殿前の公園へ出かけます。
エヴォラの丘陵地帯を見下ろすように作られた、高台のこの公園には、
北川昌邦さんという日本人の方の石碑がありました。
下に泊まる観光客が去って静かになったこの公園で、
色のトーンを変えながらエヴォラの町に夜が訪れ、オレンジ色のライトが灯るのを見届けてから、
すぐ後ろのポウザーダへ帰ります。

昼食をしっかりとったので、いつも通りおなかもすいておらず、
フルーツとミニバーの水で夕食代わりです。
ひとりの時も、そうじゃない時も、ヨーロッパではランチをしっかり頂くと夕食がなかなか入りません。
寝る前はあまり胃に負担をかけない方がいいと思っているので、いつもこんなパターンです。

本日も平常と変わらない23時に就寝です。



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