路地裏の散歩道HOME               国旗de散歩TOP             哀愁のポルトガルTOP     



6日目: セトゥーバル → オビドス


昨夜0時にベッドに入ったのに、2時半にふと目が覚め、なかなか寝付かれないでいると、
6時半に合わせた目覚し時計が鳴ってしまいました。
ぼ~っとした頭を覚ますため熱めのバスタブに浸かった後、窓辺の漆喰のベンチで外を眺めていると、
海がテラテラとひかり出し、太陽が上がってきました。まさに目の覚める景観です。

7時半、朝食をとりに行きます。
3つのポウザーダの中で一番品数が少なく、
オーソドックスなチーズ、ハム・ソーセジ類、卵料理、シリアル、パン、フルーツなど。
でもここのオレンジジュースは絶品でした。

部屋に戻り荷物を持ってレセプションへ。
チェックアウトの手続きをしてもらっている間に、昨日話をしていた人が鍵を持って
18世紀の作といわれる、サン・フィリペの生涯をアズレージョで描いた礼拝堂に案内してくれました。

壁面・天井が全てアズレージョで覆われ、私が青く染まってしまいそうな礼拝堂でした。
鍵をかけて管理している事が理解できます。
まさに貸切り状態でゆっくり見ることができましたが、ちょっとカビ臭かったのが残念です。
修復不可にならないよう、手を入れて大切にして頂きたいと思いました。

アズレージョを充分堪能してからレセプションに戻り、タクシーを呼んでもらいます。
タクシーが着いたと連絡が入ると、今回はポーターが城門まで荷物を持って一緒に来て下さいました。

タクシーでバスターミナルに着くと、
10時ちょうどのリスボン行き特急がすぐにありラッキー、運賃は$530(¥386)でした。
Belos社のこのバスはリスボンのスペイン広場に10:50に着き、
すぐ前の駅から地下鉄でロトンダのホテルへ行って、
預けてあるスーツケースから衣類の入れ替えをし、1泊分の荷物のみバッグに入れて、
ピギーもホテルに預け身軽になって出かけます。

サルダーニャのバスターミナルから12時ちょうど発のナザレ行きに乗り、
途中の Caldas da Rainha まで約1時間半のバスの旅です。
このバスで初めて2組の日本人の方とお会いしました。さすがはナザレ行きです。
途中のカルダス・ダ・ライーニャには定時の13:25着、
Obidosに行く私達はここからバスかタクシーを使います。
現在はリスボンから直行バスがあります。

リスボンから電車もあるのですが、鷲巣村的高い場所にあるオビドスへはちょっと山道を歩く事になります。
次のオビドス行きのバスは15:30・・・2時間もあるのでタクシーを使いましょう。
バスターミナルの道の向こう側の広場に朝市がたっていたので、乗る前にちょっとお買い物♪
ぶどう500g$35(¥26)、黄桃1個$35(¥26)、メロン1個$150(¥110)
金銭感覚が変になってしまいます。

さてバスターミナル横の乗り場からタクシーでオビドスのポウザーダへ向いましょう。
丘の上にだんだんオビドスが見えて来ると、やはり素敵です。
全景が良く見えるところで、タクシーを止めてくれたので写真をパチリ!
色んな角度で止めてくれようとするので、もういいから・・・と丁重にお断りしました。
メーターじゃないから別にいいのですが、でも早く行きたいじゃないですか・・・

OBIDOS
リスボンの北86kmにある、城壁に囲まれた「谷間の真珠」と呼ばれるにふさわしい
絵のように美しい中世の小さな町で、1148年、アフォンソ・エンリケの手でムーア人支配が終了すると、
城郭の増強と同時に、城壁内の家々は白壁が際立つよう修復され始めた。
この可愛い村に魅了されたのがディニス王妃のイザベラで、王は王妃の直轄地として村をプレゼントし、
以降600年の間、代々の王は、オビドスを王妃直轄地として贈り続けたといわれている。

タクシーは城内に入れないため(住民や商業の車は可能)、ポルタ・ダ・ヴィラの外で降ろされました。
ここって一番反対端じゃん・・・
私はいいのですが、頑張って歩いてもらうしかありませんね。
でもディレイタ通りは歩くには楽しい通りです。
突き当りまで歩いて、右手の階段を上るとポウザーダの中庭で、
その右手に小さなポウザーダの入り口があります。

Pousada do Castelo  ツイン6  スイート3
15世紀に建てられた城は18世紀に起こった地震で破壊したのですが、
改築をして1951年にポウザーダとしてオープンした、CHクラスのポウザーダです。
ツインはこじんまりとし狭いですし、3室あるスイートも決して広くはないのですが、
塔の部分を利用したスイートは2階建て(ロフト風)になっており、もっとも予約が難しいと言われています。

小さな入り口を入ると、フロントやレセプションと呼ぶには小さすぎるカウンターがあります。
うやうやしくお辞儀をし、物腰の柔らかいおじさまって感じの初老の男性がチェックインをしてくれ、
そのままベルボーイとして部屋に案内してくれました。

今日のお部屋はスイートを予約してあります。
ここのスイートが取れる日で日程を組んだという、私にとってメーンイベントのポウザーダなのです♪
迷路のようなポウザーダの廊下を抜けて外回廊に出、
城壁のような通路を抜けて部屋のある塔へ向います。迷子になりそう・・・(笑)
雨の日だったら大変ですねぇ。

重た~い鍵でドアを開けると(この後、このドアを1度で開けられたためしがありませんでした。)
ベッドにできるソファー、机、椅子、冷蔵庫やTVがあり、その奥がバスルームになっています。
入り口右手の結構急な階段を上がるとベッドルームです。
ベッドルームのリネンは真っ白なのですが、真紅のベッドカバー、ファブリックはボルドーで、
その他は机と椅子とサイドテーブルだけでした。
博物館にあるような道具や絵が2階への吹き抜けに飾られており、もう~雰囲気プンプン♪です。
1階も2階も、城壁の厚さの分だけ遠い、とても窓の役にはたたない小さな覗き窓があるだけなので
ちょっと圧迫感のある、まさにお城!って感じの部屋でした。

部屋の斜め前の城壁の出っ張りの所に、パラソルと椅子とテーブルが置かれている専用テラスがあります。
先ほど購入してきたフルーツを食べながら予定を立てていると、
オビドスの町を1周できる城壁を歩いている人に手を振られてしまいました・・・

16時になり、日帰り客もそろそろ町を去り静かになったと思うので出かけて見ましょう。

サンタ・マリア教会 Igreja de Santa Maria
09:30~12:30/14:30~19:00
 無料

1444年、アフォンソ5世がわずか8歳のいとこイザベラと結婚式を挙げた教会として有名です。
壁は17世紀のアズレージョ、天井も当時の絵や装飾で覆われ美術館のような教会
・・・
との謳い文句通りゴージャスな教会でした。
でもアズレージョに関しては、小さいながらもセトゥーバルの礼拝堂の方に私は魅かれています。

この教会前の道にペロリーニョという石柱があります。
カゴに入れられた囚人をこの柱につるして、見せしめにするためのものでした。
当時のカゴについていた金属の輪がつけた窪みが、今でもくっきりと残っています。


教会のすぐ西側(インフォメーション前)の公衆トイレは、無料の上、アズレージョでした。

オビドスと言えばGingina (Ginjaジンジャとも言います)。
ジンジーニャとは桜の実(さくらんぼとは微妙に異種らしい)のお酒(リキュール)で、
オビドス以外にも産地は多いのですが、オビドス産のものが良質とされ有名です。
アルコール度数はかなり高いのですがとても甘く、食後酒によさそうなので
ボトルの底に実が入っているのをお土産に2本購入しました。

ポウザーダを背に更にディレイタを歩くと、
カレンダーなどでよく目にする、ブーゲンビリアが白壁に絡まるバルが右手に見えてきました。
バルの前の路上に1段高く木製のテラスが作られており、ここでひと休みです。
せっかくなのでジンジーニャ$350(¥255)と、セルベージャ$200(¥146)をいただきます。

ディレイタ通り Rua Direita
ポルタ・ダ・ヴィラからサンタ・マリア教会までの約200m、幅わずか3mの通りです。
直線という意味で、通りと言うより小経が似合うこの石畳の両サイドは花いっぱいの白壁の家が続きます。


ポルタ・ダ・ヴィラ Porta da Vila
オビドスの西の入り口にある18世紀に作られたこの城門は二重になっており、
素晴らしいアズレージョが内側に施されています。

20時に夕食の予約を入れてあるので、そろそろポウザーダにもどりましょう・・・
一旦部屋に行ってちょと着替えてレストランへ向います。
リクエストどおり、城壁側の窓際を取っておいてくれていました♪

・Sopa de frutos do mar  海の幸のスープ
・Omelete de camarão  海老のオムレツ
・Frango na Pucara  壷焼きチキン(ライスとフライドポテト添え)
・Bacalhau a Bras  鱈と玉ねぎの卵とじ
・Pudim de limao  レモンのプリン
ワイン(ハーフボトル)、水、ビッカ。

どれも美味しかったですが、特にスープとレモンのプリンが絶品でした♪
また、うやうやしくテーブルサイドまで運ばれた壺からサービスされたチキンも、
お味もさることながら、その振る舞いがとてもステキでした。
年配のウエイターが多いせいか、物腰の柔らかさがよりお料理を引き立ててくれたようです。
しめて$7640(¥5577)、本当にいいのでしょうか♪

お腹も心も満たされて部屋に戻る途中、専用のテラスで星空を眺めるためひと休みしましょ。
さみしい位し~んと静まって、城壁の向こうの荒野は漆黒の闇、
ところどころにあるオレンジ色のライトが、いい具合に城壁を浮き上がらせています。
そして、オビドスの星は大きくて数が多いようです・・・

さて今回もガチャガチャとちょっと苦労してドアを開けて部屋に入ります。
ささっと入浴し、1階のサロンでちょっと寛いでから、
0時になったし、睡眠不足だし・・・と言うわけで休むことにしましょう。

前のページへ            旅行記TOPへ             次のページへ