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「将棋倒し」使わないで

2001.8.1

31日付新聞のラテ欄を見ていたらこんな文字が目に入った。「高校野球東東京大会決勝・岩倉×都城東」。ふーん。岩倉とミヤコノジョウヒガシかぁと思ったら、都立 城東高校なのだった。
スーパーの惣菜コーナーに行ったら「イカ不足たっぷりかき揚げ」というのがあった。ふーん。イカが不足しているのにナニがたっぷりなんだろうと思ってよく見たら、イカ下足ゲソなのだった。

 少々旧聞に属するが、7月26日付毎日新聞にこんな記事が載った。長いけれども全文を引用する。

 「将棋倒し」使わないで

日本将棋連盟が報道機関に要望

 兵庫県明石市で起きた歩道橋での圧死事故に関連して、日本将棋連盟(二上達也会長)は25日、「将棋倒し」の表現を報道で使用しないよう、報道関係の各社、各団体に要望書を送った。
 「将棋倒し」の表現は、事件が発生した21日夜から報道で頻繁に使われているが、同連盟では「大惨事はあまりに生々しく、ご遺族の心情を思えばただただご冥福をお祈り申し上げる次第です」と弔意を示した上で、「『将棋倒し』は本来、子供向けの駒を使った遊びで、単に倒れる状況だけを見た表現として事故などに引用されっる遊びではなく、将棋の文化的普及と進行を進めている当連盟としては大変遺憾に思っていた。こういった場面での使用は絶対にやめていただきたい」としている。

 そうは問屋が卸さない^_^;。

 『広辞苑』によると「将棋倒し」という表現は『太平記』にすでに見られる(「将棋倒しをする如く、寄手四五百人、おしに討たれて死ににけり」)。それだけの歴史があるということだ。そういう文化的歴史を無視して、「悪い印象をもたれるのはいやだ」というのはどう考えてもわがままだ。

 「将棋を語源とする言葉は一切使わないでください」ということになれば、これは少し考えてやらなければならないかも知れないが……。