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三行書評 第11回

2001.8.13

 NHK12日『思い出のメロディ』を見た。いやぁ懐かしかったなぁ>ドリフターズ。

 五つ星が満点。

村上春樹
『約束された場所でunderground2』
(文藝春秋ISBN4-16-354600-6)
お薦め度 ★★★★
あらまし 地下鉄サリン事件の被害者および遺族へのインタビューが『アンダーグラウンド』だったが、オウム真理教の“元”を含む信者8名へのインタビューが本書。心理学者河合隼雄氏との対談つき。
コメント 読むのに時間がかかったが面白かった。『文藝春秋』連載時は「ポスト=アンダーグラウンド」という題名だったそうだが、単行本化に当たって「約束された場所で」と名付けられたそうだ(マーク=ストランドの詩から)。なぜそう名付けたのか解らなかった。
中村正三郎
『ウイルス、伝染うつるんです』
(廣済堂出版ISBN4-331-50771-8)
お薦め度 ★★★★★
あらまし ウイルス・ネット詐欺・個人情報流出など、ネット社会に潜む数々の罠について書かれている。
コメント もしあなたが、サーバの管理者になったのならば必読の書。初心者には難しいかもしれないが、分からないなりに「怖さ」を感じ取れればよいかもしれない。いや、ホントに怖いんですってば。名言をひとつ。「金がある奴は金を出せ。金のない奴は知恵を出せ。知恵もない奴は汗をかけ」。この場合の汗はたぶん冷や汗だ。
鶴間和幸
『始皇帝の地下帝国』
(講談社ISBN4-06-209732-X)
お薦め度 ★★★
あらまし 初めて中国を統一した秦の始皇帝(前246〜前210)の墓には兵馬俑(へいばよう)と呼ばれる坑があり、そこには推定8000体もの陶製の軍隊が収められている。一体一体表情が異なり彩色まで施されているのだ。1974年の発見以来発掘が続けられているがまだまだ終わっていない。
コメント 彩色されている文物に関してはカラー図版が欲しかった。残念。ところで、始皇帝陵本体には発掘の予定すらない。掘り出しても保存できない。ならば新技術が開発されるまでほっておこうという一つの見識である。
 泉麻人
『バスで、田舎へ行く』
(JTBISBN4-553-03762-3)
お薦め度 ★★★★
あらまし 雑誌『旅』連載。移動手段としてバスをメインに置いた紀行文集。北は稚内から南は種子島まで19箇所を経巡っている。
コメント いやぁ僕もバス好き――バス好きエピソード1:東京→広島・仙台→東京などの夜行バス体験あり、エピソード2:バスに乗るときは通路左側最前席に座る――なので、こういうのは好きです。

 秦始皇兵馬俑博物館(http://ww.bmy.com.cn/)というのが紹介されています。中国語ですけれども写真見るだけならなんとかなるでしょう。