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WWFプロレスとUSA

2001.10.18

 以前WWFプロレスについて書いたのだが、今回はその続き。

 日本ではJスカイスポーツ(2003年10月1日よりJスポーツ)で見れるWWFプロレス番組が5つある。メインは『Raw is war』と『Smack down』。どちらも2時間枠である。ダイジェスト版として『Row zone』と『Super stars』があり、若手中心の『Metal』、次世代のスターを目指す登竜門番組としての『Tough Enough』が脇を固める。それぞれ週に1回の放送だ。

 さらに月に1回特番が組まれ、アメリカでは有料放送されている。アメリカで9月23日に(同時テロ後はじめて)行われた特番がこのほど放送された。タイトルは“Unfogiven”。「許されざる者」という意味らしいが、ここにもテロの影響が見られた。

 カート=アングルというトップレスラーがいて、'96年アトランタ五輪レスリングの金メダリストで、星条旗をモチーフにしたアマレス風のコスチュームを着ている。つまりアメリカを体現しているわけだ。

 特番ではスティーブ=オースチンという悪役レスラーとタイトルマッチを行うことが決まっていたが、特番数日前にオースチンが乱入し、リング外でパイルドライバー(脳天杭打ち)をくらって救急車で病院送りになった。首にコルセットをつけた姿で会場に戻り、勝利宣言をするというパフォーマンスを行った(ここらへんは仕掛けもしくは仕込みである)。そして特番当日のメインイベントで予定通り^_^;オースチンを破って世界王座に返り咲いた。会場に来ていた家族と勝利の喜びを分かち合い、場内は「USA USA」の大合唱に包まれた。

 勘の良い方はお気づきかもしれないが、乱入パイルドライバーで一時はどん底に突き落とされるが、最終的には勝利を獲得するという筋書きは、今アメリカが直面している状況および将来予測に対する暗喩だろう。

 さすが脚本家がいるだけのことはあって、ドラマ性抜群である。