2001.11.13
昨日の三行書評でとりあげた『クロスファイア』は映画化されているのでそれを観た。といっても、2000年公開の映画だからいまどき上映している映画館があるわけもなく、レンタルビデオだ。
そんなことはともかく――
本を読んでみて映画化はちょっと無理だろうと思った。念力放火能力=パイロキネシスの映像化なんてCGを使えば簡単だろうから、そこが無理だと思ったわけではない。原作が2時間に収まるボリュームではないのが理由だ。
案の定、「ガーディアン」は単なる殺人ビデオ販売グループになっていたり、伊崎四郎や衣笠巡査部長はカットされていて深みがない。ガーディアンメンバー木戸浩一の冷酷さも弱い。
配役も少し失敗かな。多田一樹に伊藤英明を起用したせいか、牧原が担っていた「淳子の救い」も多田に帰せられるという“弊害”も見られる。捜査会議の場面で、おエライさん役が居並ぶ中に永島敏行がいれば当然目立つ。あぁこの役は重要なんだなと気づいてしまうだろう。無名の役者を揃えるか、特別出演かなんかで豪華俳優陣を揃えるかすればよかったのだろうけれど。桃井かおりははまり役なんだけどね。
もっとも、原作の登場人物設定を使った別物の映画と考えれば及第点はあげてもいい。
映画を見てから原作を読んだ方がいい、というのがまる三からのアドバイス。