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三行書評 第29回

2001.12.17

 五つ星が満点。

パコ=アンダーヒル
『なぜこの店で買ってしまうのか』
(鈴木主税/早川書房ISBN4-15-208335-2)
お薦め度 ★★★★
あらまし ショッピング環境(原文ではretail environment)つまりは店舗において消費者や店員がどのように動くかを文化人類学的に分析し、売り上げ向上のためのアドバイスを行うエンヴァイロセル社の創業者にしてCEO。顧客には、スターバックス・シティバンク・GAPなどがいる。
コメント 事例をちりばめながら有効な手段が数々紹介されている。僕はそれを活かせる立場にいないので、「なるほど面白い」というノリで読んだ。
辛淑玉シン スゴ・鈴木邦男
『こんな日本 大嫌い!』
(青谷舎ISBN4-915822-42-7)
お薦め度 ★★★★
あらまし 人材育成会社社長にして、「女性・人権」にこだわる在日コリアン三世の辛さんと、右翼民族派一水会代表の鈴木さんの対論。
コメント 意外な取り合わせだが、五年来の友人だったとは知らなかった。辛さん関連の本は本書が三冊目だが、そのたびに目からウロコが落ちる。
鎌田慧
『忘れてはいけないことがある』
(ダイヤモンド社ISBN4-478-941092-0)
お薦め度 ★★★★
あらまし 『週刊女性』に連載した「鎌田慧の眼」を中心にまとめたもの。
コメント 鎌田さんの著作は新たな視点を与えてくれる。それは、「機密費横領事件」に関連して「『おれにやらせろ』と言えば、「さあ、どうぞ」と言うほど官庁は甘いのか。/彼の上司に、どこからか圧力がかかっていた、と考えるのが常識というものである。(中略)/外務省は、元室長『個人の犯罪』として幕を引こうとしている。しかし、元室長が、ヤミのカネの『金庫番』にされていた強い疑いは残っている」というようなものだ。

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