←前回 次回→ ?今月の目次 ジャンル別一覧  ご意見ご感想はこちらから

三行書評 第40回

2002.3.4

 五つ星が満点。

鮫島敦・松葉仁
『宮内庁御用達』
(生活人新書ISBN4-14-088015-5)
お薦め度 ★★★
あらまし 宮内庁=皇室で使われるものは厳しいチェックがなされているのだから良いものに違いないという考えのもとに、自分の足で確かめた数々の商品を紹介している。巻末には問合せ先一覧つき。
コメント 関係ないけど「生活人新書」というのは日本放送出版協会の新しいブランド。
高島俊男
『漢字と日本人』
(文春新書ISBN4-16-660198-9)
お薦め度 ★★★★★
あらまし 文字を持たなかった日本語(人)が漢字をどう取り入れてきたかを、万葉の時代から明治さらに戦後まで概観する。
コメント 「假」を「仮」にすることで、「暇・霞・瑕・葭」グループから「板・坂・版・飯・叛・返」グループに移ってしまったように思えるということに始まって、難しいことが易しく説明されている。膠着語・屈折語・孤立語という術語を使わずない説明を始めて読んだ。ホンモノの知識人だと思う。
丸谷才一編著
『国語改革を批判する』
(中公文庫ISBN4-12-203505-8)
お薦め度 ★★★
あらまし 大野晋・杉森久英・岩田麻里・入沢康夫・山崎正和・丸谷才一の面々が「国語改革を批判する」書。原著は「日本語の世界16」として1983年に刊行されてゐる。
コメント 戦後に行はれた国語改革がいかにおろかなものだつたかがよくわかつた。僕は、日本語(書くこと話すこと)に関しては保守的らしい(難しさうだから、歴史的かなづかいを実践しやうとは思わないが)。