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三行書評 第41回

2002.3.12

 五つ星が満点。

鷺島鈴香
『図解裁判傍聴マニュアル』
(同文書院ISBN4-8103-7626-5)
お薦め度 ★★★★
あらまし タイトルどおり、裁判を傍聴するためのノウハウが述べられている。
コメント これは役立つ。と言っても、裁判傍聴に関心がなければ箸にも棒にもかからないのだけれど。村田らむの手になる点描イラストも怪しくて素敵。サギシマスズカという名前を変換してみたら、“詐欺します図化”になった。
みうらじゅん
『とんまつりJAPAN』
(集英社ISBN4-08-781193-X)
お薦め度 ★★★★★
あらまし 日本全国のとんまな祭り(略してとんまつり)を「少なすぎるデータと、多すぎる情熱」で追いかけた旅紀行。『小説すばる』に連載された「わびさびたび」をまとめたもの。
コメント 笑ったなぁ。蛙飛行事(奈良県吉野町)笑い祭り(和歌山県川辺町)尻振り祭り(福岡県北九州市)おんだ祭(奈良県明日香村)姫の宮豊年祭り(愛知県犬山市)田県祭り(愛知県小牧市)、水止舞い(東京都大田区)、撞舞(茨城県竜ヶ崎市)恐山大祭(青森県むつ市)抜き穂祭(愛媛県大三島町)子供強飯式(栃木県日光市)牛祭り(京都府京都市)悪口祭り(栃木県足利市)ヘトマト(長崎県福江市)、ジャランポン祭り(埼玉県秩父市)うじ虫祭り(愛知県豊川市)鍋冠祭り(滋賀県米原町)つぶろさし(新潟県羽茂町)。田県祭りとヘトマトとつぶろさしは必見につきクリックすべし。
伊集院光・みうらじゅん・山田五郎
『ザ・会議室』
(光進社ISBN4-87761-056-1)
お薦め度 ★★★★★
あらまし 2000年4月から12月にかけて放送されたフジテレビの深夜番組『CX NUDE DV』内の同名コーナーをまとめた本。都税から海の家まで、24の議題について話し合っている。
コメント 提言――飲み屋の与太話のノリであるからロクなものはない――を持ってノコノコ出かけているところがエライ。たとえば、少子化対策としての「産婦人科ポイントカード」だの「エロDayの設置」だのといった提言を、厚生労働省に持っていき、「雇用均等・児童家庭局総務課少子化対策企画室」からコメントをいただいている。
こんなんでいいなら僕もひとつある。アメリカ北東部8州の大停電(1965年11月9日17時16分から13時間)や、ニューヨーク大停電(1977年7月13日21時41分から25時間)のあとに一時的なベビーブームになったことに倣い、月に一度くらい停電させればいいんじゃないの<暴言^_^;。
いとうせいこう・みうらじゅん
『見仏記』
(中央公論社ISBN4-12-002239-0)
お薦め度 ★★★★★
あらまし “ひらがなコンビ”が行く仏像見学の旅。京都奈良が中心だが、東北と九州にも遠征している。
コメント マイブームの生みの親であるみうらじゅん氏は小学生のころから仏像を見るのが好きだそうで、直感的な造詣が深い(興福寺の仏頭を「加藤登紀子」と断じる眼は侮れない)。そんなみうら氏をいとう氏が見物するという「見みうら記」でもあるかもしれない。
暇はあるけれどカネがないので実現は難しそうだが、見仏ケンブツも楽しそうだ。千手観音は迫力あるなぁ。××天と邪鬼に魅力を感じる。
佐藤昭夫監修
『日本の仏像100選』
(主婦と生活社ISBN4-391-60618-6)
水野敬三郎監修
『日本仏像史』
(美術出版社ISBN4-568-40061-9)
西村公朝監修
『国宝仏を訪ねる』
(講談社ISBN4-06-210339-7)
あらまし 以上3冊は仏像写真集。
コメント やはり仏像そのものを見ないと話にならないので、これらを参照した。『〜100選』が★★★★。『日本仏像史』はA5判と小さいので★★★。『〜訪ねる』は索引がないので★★。あくまで、『見仏記』を見る参考書として評価した場合の話。
みうらじゅん
『カリフォルニアの青いバカ』
(JICC出版局ISBN4-88063-874-9)
お薦め度 ★★★
あらまし みうらさんが、20代後半(1985年〜87年にかけて)に書いた文章をまとめたもの。
コメント いろんな雑誌に書き散らかした(失礼)をまとめているので、少々一貫性には欠ける。

 みうらさんの本は下ネタに移行することが多いので万人向けとは言えないかもしれないが、それがOKの人にはお薦めする。“面白がる精神”がいいよね(いや、皮肉とかじゃなくてね)。