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『ブラックホークダウン』を観てきた

2002.4.25

 リドリー=スコット監督作品『ブラックホークダウン』を観てきた。

『虎乃門』(テレビ朝日/金曜日25:20)内の「こちトラ自腹じゃ」で井筒和幸監督が激怒し、過去最低の-5点を付けたの(4月12日放送)を見た後だからではないが、最後の、現地の子どもたちが兵士を迎えるシーンを見てムカムカしてしまった。兵士たちは勇敢に戦ったのだろうが(それはそれでカッコイイのだが)、なぜアメリカはソマリアに行かなくてはならなかったのか? 1000名もの死者をソマリア側に出したのはなんのためだったのか? 現地の人たちがアメリカ軍に殺されたことに意味はあったのか? そういったことはまったく触れられず、描かれているのは戦闘シーンばかり。戦争映画でも、戦場映画でもなく、戦闘映画だ。井筒監督は「(ソマリアの民兵たちは)ホンマにエイリアンですよ。ソマリアの民兵たちがわからへんもん」と発言をしていたが、まったくその通り。『グレムリン』のグレムリン(変身した後の凶暴なヤツ)とか、ヒチコックの『鳥』に出てくる鳥たち並で、人間らしく捉えられていない。

 井筒監督は、「リドリー=スコットの作品はもう見ない」と断言したが、僕はプロデューサーのジェリー=ブラッカイマーのせいじゃないかとも思うのだなぁ。マイケル=ベイ監督と組んだ『パール=ハーバー』(2001米)『アルマゲドン』(1998米)なんて、ひどかったもの。『パール=ハーバー』における日本(軍)の描き方を思い出してくださいよ。ブラッカイマーには“敵”を描く余裕がないよ(隕石を描けとまでは言わん^_^;)。リドリー=スコットだったから、この程度で済んだと思いたい。

 

 というわけで、お薦め度は★★。

『ブラックホークダウン』公式サイト

【2002年4月26日追記】
『アクセス』(TBSラジオ/月〜金22:00)のサイトで、崔洋一vs.井筒和幸vs.麻木久仁子の対談「ハリウッドの戦争映画が最近ヘンだ〜!?」が聞けます(Windows Media Playerが必要です)。