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三行書評 第49回

2002.5.13

 五つ星が満点。

李志綏リ チスイサン=サーストン協力
『毛沢東の私生活』
(新庄哲夫/ISBN4-16-349420-0,ISBN4-16-349430-8)
お薦め度 ★★★
あらまし 1955年から、毛沢東が亡くなる1976年まで、毛沢東の主治医を務めた著者の回想録。現在はアメリカ在住なので、歯に衣着せずに書いている。
コメント イギリスの歴史学者J.E.アクトン(1834-1902)の有名な言葉「権力は腐敗する。絶対的権力は絶対的に腐敗する」を思い起こしながら読んだ。イエスマンばかりに囲まれていれば、腐敗は急速に進むだろう……なんてことも考えた。上下2巻910頁だから読むのはちょっと大変。
矢吹晋
『ケ小平』
(講談社現代新書ISBN4-06-149153-9)
お薦め度 ★★★
あらまし 権謀術数渦巻く中国政界において、失脚しても三度復帰したというのはやはりタダモノではない。そのタダモノではないケ小平の生い立ちから晩年までを概観した新書。
コメント 1993年刊なので、最後の4年ほどについて触れられていない。ケ小平・蒲卓琳夫妻は、二男三女夫婦たちと孫を加えた18人家族で暮らしていたという。孤独だった毛沢東とはえらい違いだ。