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三行書評 第56回

2002.7.8

 五つ星が満点。

齋藤孝
『三色ボールペンで読む日本語』
(角川書店ISBN4-04-883737-0)
お薦め度 ★★★★★
あらまし 赤青緑の三色ボールペンで線を引きながら読書をしよう、という提案がされている御存知ベストセラー。
コメント さっそく実践してみようとは思うものの、図書館で借りることが多いので難しいかも。《本は身銭を気って買うもの》という節があって耳が痛い^_^;。
太田省一
『社会は笑う』
(青弓社ISBN4-7872-3199-2)
お薦め度 ★★
あらまし 《マンザイブーム以降のテレビ的笑いの変遷をたどり、条件反射のように笑いを発しながらも、同時に冷静に評価するという両面性をもったボケとツッコミの応酬状況を考察し、独白であると同時に会話でもある擬似的なコミュニケーションが成立する社会性をさぐる。》(青弓社のサイトから引用)
コメント なんか小難しいんだよね。“小”がつくところがまた悔しい。たとえば、《「仲間」空間に最終的に内属しながら、身体的には希薄であるようなあり方》っていうのは、ふかわりょうの「あり方」の定義なんだよね。何がなんだか……。
紀田順一郎
『にっぽん奇行・奇才逸話事典』
(東京堂出版ISBN4-490-10307-7)
お薦め度 ★★★
あらまし 明治から昭和を生きた偉人77人の人となりを逸話で浮かび上がらせようという本。たとえば、「もっと大きな字を書け」と言われた翌日、わら半紙を持参して一枚に一文字づつ解答を書いた直木三十五。たとえば、出したがらない出版社から前借することに張り合いを感じていた山本周五郎。などなど。
コメント 77人分あるから選り取り見取り。
山本一力
『あかね空』
(文藝春秋ISBN4-16-320430-X)
お薦め度 ★★★★★
あらまし 第126回(2001年下期)直木賞受賞作。京豆腐の老舗平野屋で修行し、江戸深川に下って豆腐屋を開いた永吉と、その妻おふみ、および二男一女(栄太郎・悟郎・おきみ)の大河小説。
コメント 近所の小父さん小母さん、つまりは年長者の話に耳を傾けるのも無駄ではないよな、という変な感想を持った。いや、両親のことなんか聞いてみると面白いかもよ。
泉麻人
『ニッポンおみやげ紀行』
(大和書房ISBN4-479-39069-3)
お薦め度 ★★★★★
あらまし 有名観光地にある「お菓子系」のお土産を買いまくり、美味しさや企画力を判定してみました、という本。「地区限定プリッツ&ポッキー一覧」および「(304品)おみやげリスト」付き。『Miss家庭画報』(世界文化社)1996年1月号〜12月号連載に大幅に加筆したもの。
コメント 商品は、写真ではなくて佃二葉さんの手になるイラストで描かれている。これがなかなか趣がある(ひょっとすると版権の関係かもしれないけれども)。僕は、甘いもの(とくに餡)を食べると牛乳が飲みたくなる。まわりからずいぶん珍妙だと言われてきたけれども、泉さんも牛乳派らしい。