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小泉首相訪朝

2002.9.18

 小泉首相の訪朝が終わった。持たされた土産には意外性と驚きがあった。

 拉致したことを認めて11人全員の――1人は「入国していない」というものだったが――安否情報を伝えたことには驚いた(さらに日本政府が認定していない3人についても発表した)。またしても、なんだかんだとはぐらかされるのではないかと思っていたからだ(だから以前言葉は悪いけれども大バクチだと書いた)。

付け加えれば、不審船についても認めたし、ミサイル発射実験無期限停止も表明したし、核開発に関する国際法遵守も表明した。

 意外だったのは8人もが死亡していたことだ。優秀な工作員を生むための“金の卵”なわけだから、大事にしてもよさそうなものなのに、なぜか三分ノ二もの人が亡くなってしまっていた。

 率直に言えば、三分ノ二という死亡率に“自然死ではない死”を感じてしまうので、拉致問題が解決したとは言いがたいが(責任者は誰でどのようにして亡くなったのかなど)、孤立させないための国交正常化を進めるべきではないかと思う。

拉致された方の家族の方の心痛はお察し申し上げる。でも、「アメリカと強調してテロ国家を叩くべきだ」「そうだ」「そうだ」という意見にはくみしません。難民(と恐らくゲリラも)が発生し、北東アジアの平和が泥沼化してしまいますが、それでもいいのでしょうか?

「国交正常化を急ぎすぎる」という意見にもくみしません。小泉批判のためだけの論理のような気がします。それならば、何が国交正常化の必要十分条件なのかを提示ください(それに説得力があればコロッと主張を覆しますけどもね)。