←前回 次回→ ?今月の目次 ジャンル別一覧  ご意見ご感想はこちらから

三行書評 第67回

2002.9.30

 五つ星が満点。

鎌田慧
『日本逆さ望遠鏡めがね
(実業之日本社ISBN4-408-10226-1)
お薦め度 ★★★★
あらまし 1991年から1996年までに執筆したルポルタージュをまとめたもの。同時進行のルポである第一部と、(執筆時の)約20年後にあたる2010年を予測して書いた第二部からなる。
コメント 《業界に取材をし、話し合い、かつ、そこから線を引いて描き出した将来の現実像》を描いた第二部が面白い。
藤原新也
『空から恥が降る』
(文藝春秋ISBN4-16-358550-8)
お薦め度 ★★★★★
あらまし 個人サイトwww.fujiwarashinya.comで書き綴った文章、約1年分(2001年3月から翌年3月まで)をまとめたもの。サイトでの執筆は今でも続いている。
コメント アメリカよりもビンラーディンやタリバンを応援している活字になった文章なんてそうそうお目にかかれるものではない(もちろんテロまで肯定しているわけではない)。インターネットならではだと思う。世間一般的には目からウロコの文章だろう(「第三の選択阿修羅世界のモラル」特選)。
井上和博
『時代を喰った顔』
(中央公論新社ISBN4-12-003283-3)
お薦め度 ★★★★★
あらまし 著者は写真週刊誌『FOCUS』や『エンマ』の立ち上げにも参加したカメラマン。鈴木宗男から原節子まで、写真と文章で綴る時代史。基本的に待ち伏せや張り込みをせず、諒解をとった上での密着取材である。書き下ろしの文章で被写体となった人物のその後も語られるので勉強(?)にもなる。
コメント 僕は知らなかったのだけれど、最初に載っている「立小便をする中川一郎(故人)」というのは『FOCUS』を飾った有名な写真らしい。