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三行書評 第76回

2002.12.2

 五つ星が満点。

小関順二
『ドラフト王国』
(蒼馬社ISBN4-916124-36-7)
お薦め度 ★★★★★
あらまし 《僕はプロ野球のファンというには少しイビツな人間で、公式戦やオールスター、日本シリーズといった野球の試合より、ドラフト会議がプロ野球のあらゆるイベントの中で一番好き》という著者がドラフトへの思いを綴った本(1994年刊)。
コメント 模擬ドラフトというのを毎年開催しているらしく、今年の結果はこちら
江刺正吾・小椋博こむく ひろし
『高校野球の社会学』
(世界思想社ISBN4-7907-0518-8)
お薦め度 ★★★
あらまし 社会学者たちが、選手・観客・メディア・アメリカとの比較を通じて、高校野球を多角的に解剖した論文集。
コメント 1994年刊だから即断してはいけないのかもしれないが、絶叫調の選手宣誓とか無駄なヘッドスライディングとか、現場を踏まえずにステレオタイプを土台にしているような印象は否めない。フィールドワークを踏まえていない論文があるという点において、玉石混交かもしれない。でも、アメリカにおける高校生のスポーツ事情については非常に面白かった。
荻野アンナ
『アンナの工場観光』
(朝日文庫ISBN4-02-264198-3)
お薦め度 ★★★★★
あらまし 大蔵省(現財務省)印刷局マネキン化粧品霊柩車煎餅シャンパン・ワープロ・食品サンプル養豚ロケット学生服ごみ処分場といった各工場を「観光」したルポ。
コメント 武田重信さんを中心にして操業しているシャンパン工場(タケダワイナリー)では、年間2000本の「キュベ・ヨシコ」(奥さんの名前が“良子”さん)を生産して700本は売ったが700本は自分で飲んでしまったなんていう豪快な工場だ。おいしいものは自分で作ってしまえという心意気が凄い。