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第3回うんちく王決定戦

2003.1.9

 昨日に続いて伊集院光さん絡みの話題。

 2002年12月20日深夜、『虎乃門』(テレビ朝日/25:21〜28:19)の3時間スペシャルで、「第3回うんちく王決定戦」が行われた。今回の出場者は、伊集院光・山田五郎・くりぃむしちゅー上田・なぎら健壱だった。

“うんちく王決定戦”とは、4人の参加者がテーマに沿った薀蓄をかたむけ、視聴者のiモードによる投票で王者を決めるものだ。第1回の参加者は、伊集院光・山田五郎・くりぃむしちゅー上田・斉木しげるの4名が参加して伊集院光が優勝。第2回の参加者は、伊集院光・山田五郎・くりぃむしちゅー上田・吉田照美が参加して伊集院光が連覇だった。

 今日は、その詳細をお届けする。

 まずは戦いの前の出場者の一言。

伊集院光 うんちく王と呼ばれることがどれほど大変なことか、皆さんわかっていない。飲み屋で飲んでいると、見ず知らずの親父から「いい気になるなよ」と絡まれた。
なぎら健壱 飲み屋じゃないと……
山田五郎 4人目は一般公募にしようよ。4人とも強敵過ぎるよ。
上田晋也 前回、「リベンジはしない」と明言したはずなんですけどね……

 という具合に、全員乗り気ではなかった^_^;。

 第1ラウンドは、決められた共通のテーマで4人が薀蓄をかたむける。発言順は挙手によって決まった。

テーマ:“高倉健”で30秒
山田五郎 実はおしゃれである。ブティックに行って、「ここからここまで全部ください」を最初にやったのは健さんだと言われている。ちなみにそれは、青山のオイスターで、ブランドはバルバスだった。
伊集院光 東映フライヤーズの投手だった八名信夫さん(現悪役商会)は、オーナーに呼び出されて「打たれすぎだ。どうせなら高倉健に撃たれろ」と言われて役者(悪役)に転身した。
上田晋也 健さんには“ロレックス贈答癖”がある。映画『ブラックレイン』で共演した松田優作に、2都市の時間を表示することができるロレックスGMTマスター2を贈ったのは、世界的な活躍をして欲しいという気持ちからだった。
なぎら健壱 『網走番外地』をテイチクレコードから出して大ヒットさせたが、キングレコード・キャニオン・CBSソニー・ポリドール・日本クラウンからもレコードを出している。これほどいろんなレコード会社からレコードを出している人はちょっといない。
テーマ:“ダイエット”で45秒
伊集院光 アメリカで今一番流行っているダイエットは、満腹中枢に刺激を与えて満腹感を与えるダイエットだ。ちなみに、余談であるが、セロリは、含まれているカロリーよりも噛むのに必要なカロリーのほうが上回るという珍しい食品である。
上田晋也 “適度な運動”が効果があるのは当たり前だが、それよりも効果があるのはグレープフルーツ・フェンネル・ペッパー・タラゴンの香りである。
なぎら健壱 「牛脂で痩せる」を提唱していた人に連絡を取ろうとして編集者に電話をしたら、「死にました」と言われた。
山田五郎 ダイエットのやり過ぎで陥る拒食症は、インテリのほうが陥りやすい。東大ボディビルディング部が強いことや、三島由紀夫がいい例。「気をつけましょう」
テーマ:“紅白歌合戦”で1分
上田晋也 過去の成績(52回まで)は26勝づつ。第1回は、1月3日にラジオの1時間番組だった。4回目から大晦日に公開放送が定着したが、この年は、第3回と第4回の2回があった。
伊集院光 放送開始当初は、「歌合戦」ではなくて「歌試合」だった。これは、GHQに睨まれないように名づけたもの。ちなみに、最高視聴率は第27回の80.6%である。
なぎら健壱 昭和37年からテレビでも放送されるようになったが、このときの視聴率が80.4%で、10年後に80.6%を記録した。ちなみに、瞬間視聴率の最低記録は、平成2年、長渕剛が17分間熱唱したときで30.6%。
山田五郎 現在では海外に生中継されているが、昔はフィルムが海外に送られた。もっとも盛んだったのは西ドイツ(当時)のデュッセルドルフ。公会堂を借り切りって君が代斉唱から始まり、観衆は涙しながら観たという。

 どーです? 本当かどうか見当がつかないくらいディープな話がどんどん出てきている。

 続いて第2ラウンド。1人づつ、25枚のパネルの中から番号を選び、出てきたテーマに則して薀蓄を傾ける。他の3人が、「オレにはそれ以上の薀蓄がある」と思えば、“うんちく返し”をすることができる。持ち時間は1分だ。

#6 ビートルズ
山田五郎 1966年6月30日と7月1日に日本武道館で公演を行ったときの前座がドリフターズだった――ちなみにこのときは荒井注さんもピアノではなくてギターだった――ことはあまりにも有名だが、司会者が「みなさんお待ちかねのグループの登場です」と煽ったところでドリフターズが出てきてしまったので会場は殺気立っていた。そのため、『ノッポのサリー』1曲だけを演奏して退場せざるを得なかった。このとき客席にいたのが、高校2年生の志村けんである。
なぎら健壱 レコーディングのときにドラムを叩いていたのはリンゴ=スターではなくて、ジャズ=クルセダーズのティックスである。ティックスへのあるインタビューで、インタビュアーが「私の好きなドラマーはあなたとリンゴです」と言ったところ、「君の耳は確かだ。なぜなら、どちらも僕だからだ」と答えたため発覚した。
#18 足立区
なぎら健壱 見る角度によって本数が変わることで有名だった“お化け煙突”。もともとは、本数が変わるからではなくて、煙が出たり出なかったりしていたからである。
山田五郎 「なぎらさんが言ったことは『こちら葛飾区亀有公園前派出所』に書いてある。それはともかく……」足立区の由来は、多く生えていた葦にちなんだ“葦だち”である。
#15 田中さん
上田晋也 アルフレッド=ノーベルの身内が亡くなったとき、ノーベル本人の死亡記事が誤って新聞に掲載された。その見出しが「死の商人死す」だったことにショックを受けたノーベルが創設したのがノーベル賞である。
伊集院光 「上田さんが言ったことは、“田中さん”ではなくて“ノーベル賞”の薀蓄だ。それはともかく……」数学賞がないのは、ノーベルが大嫌いだった学者に優秀な数学者がいて、数学賞を創設したらそいつが受賞することが確実だったので設けなかったというのが有力である。また、日本ハムの田中幸雄選手が、170cmを超える身長にもかかわらず“小さい田中”なのは、190cmを超える田中幸雄選手がいたから。ちなみに、田中角栄の同姓同名者が家庭裁判所に請求を出して改名が認められたことがあるが、これは数少ない例である。
#8 水戸黄門
伊集院光 以前、ドラマ『水戸黄門』で前後編に分けて放送したことがあるが、視聴者から、「来週まで生きていられるかどうか不安です」という電話があったため、以降、前後編に分けて放送されることはなくなった。
上田晋也 黄門というのは中納言の異称であるが、御三家の当主は大納言になるのが通例だったから、黄門様は快く思っていなかったかもしれない。ちなみに、日本で初めてラーメンを食べたのは黄門様である。

 こうして第3ラウンドを迎えたわけだが、システム不調のために視聴者からの投票が受け付けられないという非常事態が起こった。そのせいかどうか分らないのだけれど、第3ラウンドは、4人が順番に20秒づつテーマに沿った薀蓄を傾けるが、審査員(いとうせいこう・勝俣州和・山田花子の3人)が揃って「うんちくなし」の札を上げたら失格というバトルロワイヤルの様相を呈してきた。

テーマ:ふくらはぎ
伊集院光 ふくらはぎは人間にしかなく、“第二の心臓”と呼ばれている。
山田五郎 はぎの「ふっくら」したほうがふくらはぎ。
なぎら健壱 鳥にふくらはぎがある。それは、「食べやすい」から。
上田晋也 第二の心臓と呼ばれるのは、心臓とふくらはぎが同じ筋肉でできているからでもある。
伊集院光 最近流行のブーツは、ブーツストレッチャーで伸びますよ。
山田五郎 アキレス筋・ヒフク筋・平目筋などがあるが、平目筋と言っても実は赤身である。
なぎら健壱 競輪選手が発達している。ペダルを拇指丘で漕ぐと良いのは常識→失格
テーマ:リーゼント
上田晋也 曲線の具合が、イギリスにあるリーゼント通りに似ているのが由来である。
伊集院光 リーゼントで有名だった横浜銀蝿の正式名称は、The Crazy Rider Rock 横浜銀蝿 Rolling Specialである。
山田五郎 セビルロード、正しくはサビルロードという通りが、リーゼント通りの一本北に並行している。ここにテーラーが集中していることから、背広の語源になった。
上田晋也 ふかわりょうの髪型をページボーイとよぶけれども、これは、王侯貴族が本を読むに際してページをめくる係の髪型に由来する。
伊集院光 横浜ベイスターズ三浦大輔投手の髪はすごく硬い→失格
テーマ:ちくわぶ
山田五郎 ちくわぶは関東にしかない。ちなみに“すじ”は東西で異なる具である。
上田晋也 京都の“もみじふ”が原型となっている。
山田五郎 もみじふには穴がないし、グルテンの含有量を比較しても分るとおり、もみじふとちくわぶはまったく別の起源を持っている。
上田晋也 竹輪に似ていることから名づけられたちくわぶだが、そのものは味を持たず、他の具の味を吸い込んでしまう。つまり、味もパクリである。
山田五郎 もみじふは角が5つ、一方のちくわぶは末広がりの8つである。したがって別起源のものだ。
上田晋也 タマゴはフランス語で“ラブ”。これが、テニスの0点を表す“ラブ”に繋がっている→失格

 いやー凄いですわ。まる三もちょっとは物識りだと自負していたけれど、足元にも及ばない。

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