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三行書評 第82回

2003.1.13

 五つ星が満点。

丸谷才一
『猫だつて夢を見る』
(文藝春秋ISBN4-16-343730-4)
お薦め度 ★★★★
あらまし 月刊誌『オール讀物』1988年1月号から1989年6月号に連載したエッセイ集。
コメント “いろは歌”について論じた「いろはにほへと」が面白かった。1987年の暮、市川猿之助主演の忠臣蔵を、歌舞伎座(前から5列目の真中)で見たとき、大詰ですごいことになったそうだ。そのときに作った俳句「討入りやいろはにほまで雪の中」。
馳星周はせ せいしゅう
『ダーク・ムーン』
(集英社ISBN4-08-774558-9)
お薦め度 ★★★
あらまし カンダ・バンクーバーで、日系2世の連合捜査官(カナダ版FBI)ハロルド加藤、香港からの移民で市警凶悪犯罪課警部の呉達龍ン ダツロン、元警視庁新宿署防犯課刑事だった富永脩――この3人が繰り広げる暗黒ノワール小説。
コメント 馳作品はこれで8冊目。あいかわらず救いは、無い。読んだ中では、『古惑仔チンピラ』(徳間書店)が一番面白かったことを付け加えておく。