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三行書評 第105回

2003.6.23

 五つ星が満点。

椎名誠
『あやしい探検隊 北へ』
(情報センター出版局ISBN4-7958-0262-9)
お薦め度 ★★★★★
あらまし 1980年初頭の東日本何でもケトばす会(略称東ケト会)活動報告。
コメント 粟島で布団屋集団と乱闘したり、館山の海岸で火を吹いたり、福島県警のパトカーにトランシーバで停止命令を出したり、式根島のキャンプ場で「おーい、山田アー、こっちこいよオー、山田アー」と叫んでそこらへんでキャンプをしている山田某を呼びつけたり……めちゃくちゃである。 けど、面白い。
とんきち企画
『鉄道員ホントの話!?』
(山海堂ISBN4-381-10446-3)
お薦め度 ★★★★★
あらまし 関西の大手私鉄現役鉄道員(運転士と駅員)が発行するメールマガジン「鉄子の部屋」をまとめた本。
コメント 痴漢を捕まえたあとの駅事務室でどんな遣り取りが交わされるのかなど、ホンモノの鉄道員にしかわからない話満載。さっそくまる三もメールマガジン「鉄子の部屋」に配信登録をしてしまいました。
鈴木文彦
『はじめての高速バス』
(中央書院ISBN4-924420-88-3)
お薦め度 ★★★★★
あらまし 高速バスの利点・路線の選び方・乗車券の買い方・裏技的なテクニックなど、高速バスに関する情報を網羅。巻末資料(路線一覧・予約センター概要・バスターミナル案内図・ターミナル設備事情・座席配列)が大充実。
コメント 1994年刊なので、古くなっている部分もあるだろうけれど(特に運賃)かなり役に立つと思う。今では発車オーライネットなんていう便利な予約システムがあるみたいですよ。
東京八重洲口発広島行き夜行バス(乗車12時間)を利用したことがある まる三から、本書には載っていないのだけれど大切な注意。靴を脱いだ方が確かに楽でしょうけれども、翌朝、足がむくんで靴を履くのが大変ですよ。
重松清
『小さき者へ』
(毎日新聞社ISBN4-620-10662-3)
お薦め度 ★★★★
あらまし 『サンデー毎日』に連載した六つの短篇集。
コメント 「団旗はためくもとに」が秀逸。どなたか短編映画に仕立ててみませんかね。娘は椎名法子、父親は香川照之でどうでしょう。上手く肉付けすれば40分くらいの佳作になると思うんですけど。
田村善次郎・TEM研究所
『棚田の謎千枚田はどうしてできたのか
(OM出版発行/農村漁村文化協会発売ISBN4-540-02251-2)
お薦め度 ★★★★★
あらまし 三重県紀和町丸山と石川県輪島市白米にみる、棚田の成立過程の民俗学的考察。
コメント 175ページ(B5変形版)と薄い本ではあるが、精緻な図版が多数掲載され、多数の古文献を参照している労作。
浅井建爾
『道と路がわかる事典』
(日本実業出版社ISBN4-534-03315-X)
お薦め度 ★★★
あらまし 国道・高速道・歴史・橋・トンネルなど、道路に関する雑学事典。
コメント 変な言い方だけれども、だいたい網羅されているんじゃないかなぁ。ん!? なんかエラソーになってしまいました。